用地不足や材料費高騰などで新築物件の供給が勢いを失う一方、ますます活気づく中古住宅市場。現在では、新築の約3倍の供給戸数を誇るまでに成長した。今では希少となった都心の物件や、駅近の物件、お気に入りのエリアの物件など、多彩な選択肢から自分の好みで選べるのが強みだ。
供給戸数が多いから、たくさんの選択肢がある
中古マンション・新築マンションの供給戸数の推移
※出典:
中古マンション/東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向」
新築マンション/不動産経済研究所「首都圏マンション市場動向」
首都圏における新築マンションの供給戸数を見ると、近年は4万戸~6万戸の間で推移している。2013年は若干上向きとなったものの、一時期と比べると勢いにかげりが目立つ。要因は用地不足や材料費の高騰などさまざまで、今後すぐに大幅増になるとは考えにくい。対照的に中古は、2012年まで順調に増加傾向。2013年は減少したものの、今や新築の供給戸数とは約3倍の差がついた。また、戸数そのものもさることながら、中古は建物や立地のバリエーションが幅広く、好きな街や沿線で探すのも難しくない。
不動産コンサルタントの平賀氏によると、エリア限定で探すなら一般的に中古は新築よりも有利で、実際、「実家に近い」「その地域に住みたい」「子どもを転校させたくない」など、地域性を重視される方は少なくないとのこと。住宅の資産価値には直結しないものの、重要なポイントと言える。
トクする物件選びのポイントは
やっぱり駅近が大人気!?
駅前はお店も多くて便利
とくにマンションの場合、最寄り駅からの近さは見逃せない。通勤や駅前施設利用の利便性を考慮すると徒歩10分圏内、できれば徒歩5分圏内が理想的。暮らしやすさだけでなく、将来的な資産価値を左右することもある。
自分に合う街が一番!!
自分なりの最優先条件を考えよう
一般的に魅力が劣る立地でも、自分や家族にとって最高のロケーションということも。例えば職場へのマイカー通勤に好都合、あるいは実家に近い住み慣れた街など、選ぶ動機はいろいろ。人気に惑わされないよう注意したい。
必ずしも都心が良いわけではない
東京駅20km圏内の地価の違い
エリア | 平均価格(円/m²) |
---|---|
武蔵野市 | 455,400円 |
川崎市 | 243,100円 |
市川市 | 197,500円 |
川口市 | 189,200円 |
松戸市 | 128,900円 |
※ 国土交通省
「東京圏の市区の住宅地の平均価格」
(単位:円/㎡)
利便性の良い都心は多くの人の憧れだが、住まいの購入費用や維持費などトータルに考えると必ずしも望ましいとは限らない。近郊エリアへ少し視野を広げるだけで相場はぐっと下がるし、再開発で魅力を増す街も多い。
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