中古を買ってリフォームを解説

リフォームによって画一的な間取りを刷新し、より快適な住まいへと変身させることだってできるのだ。ただし、購入してしまえばどんなリフォームでも可能というわけではないので、プランニングの際には注意が必要。マンションの場合は基本的に、所有者全員の共有資産である「共用部」と、個人の区分所有権が認められている「専有部」がある。個人がリフォームできるのは、この「専有部」の部分だ。玄関ドアの内側からサッシの内側まで、簡単にいうと「部屋の内側」と考えられる範囲がリフォーム可能ということになる。バルコニーやサッシ、インターホンなどは共用部のため、個人の判断で取り替えることはほぼ不可能と考えておこう。一戸建ては、マンションに比べて自由度が高いとはいえ、構造的に外すことができない柱や壁もあるので、気をつけたい。また、骨組みや構造などの躯体部分に老朽化している箇所はないか、増改築を行う場合、建ぺい率に問題は生じないかなどを調べておくと安心だ。

リフォームローンを利用する際のポイント

リフォームにかかる費用をすべて自己資金でまかなえればそれに越したことはないが、住宅購入時の頭金や諸費用のこともあり、リフォームに貯蓄を回せない場合もある。そんな時に頼りになるのが、リフォームローンだ。
リフォームローンには、大きく分けて「無担保」と「有担保」の2種類がある。無担保のリフォームローンは、金融機関で「リフォーム専用ローン」などとして融資されるもので、有担保に比べ金利が高く、返済期間も最長10年程度と短い。一方、有担保のリフォームローンは、住宅ローンに組み込めるため、金利も低めに設定されており、返済期間も長い。ただし、住宅ローンと同様、個人の返済能力や物件の担保評価により、借入条件が変わってくるので注意が必要だ。借入額や初期費用などローンの組み方によっては、無担保ローンの方が総返済額で安くなるケースもある。金融機関に相談し、よりお得な資金計画を立てよう。

リフォームのプランを練る際は、正確な平面図が必要となる。物件探しの際に不動産会社が見せてくれる「間取り図」は、あくまで間取りを分かりやすく平面化したものに過ぎないので、できる限り詳細の寸法が記載された図面を取り寄せておきたい。マンションの場合は管理会社が保管していることが多いので比較的取り寄せやすいが、一戸建ての場合、資料が残されていないこともある。その場合は、リフォーム会社に頼んで、実寸値を基に図面を引いてもらう。図面を見て動かせない梁や柱、窓の場所をじっかり確認しておき、間取りを変更する際の参考にしよう。水まわりの設備を移動させる場合は、竣工図書で配管について調べておく必要がある。

買ってしまってから、思いどおりのリフォームができないと分かった……そんな失敗を避けるためにも、リフォームを前提で中古物件を購入する場合は、リフォーム会社の担当者に立会いを依頼してみよう。通常、無料で立ち会いに応じてもらえる。担当者にはあらかじめ間取り図を見せておき、売主にも立会いの旨を事前に連絡しておくと、当日の調査がスムーズに進む。リフォーム会社を絞り込めていない場合は、別の会社の担当者にも立ち会ってもらい、内容を比較してみてもいいだろう。また、リフォーム会社が中古物件の仲介を行う場合もある。物件選びから購入、リフォームまでの一連の手続きがひとつの会社で済み、住宅ローンとリフォームローンが一本化できるなどのメリットがある。