建築家・ナイトウタカシさんのブログ「経年変化を愉しむのも魅力的。」

経年変化を愉しむのも魅力的。

2024/11/18 更新

昨日までは、施主支給をする場合の
気を付けたいポイントについて
いろいろとお話しました。

工務店の見積よりネットの方が安い
からといって、安易に飛びつかない方がよいです。

安いなりの理由はありますから。
その辺気になる方は、少し前へ遡ってくださいね。

さて。
今日は、全然違うお話です。

突然ですが。

「経年変化を愉しむ」
について、みなさんはどう感じますか?
もちろん。家についてですよ。

なんか素敵!と思う方もいるとは思いますが、
変化していくことに抵抗を感じる方もいるかなと
思います。

野球をやったことがある方であれば想像できますが、
グローブって新しいより使い込んで馴染んできた方が
使いやすいし、ピカピカより価値を感じますよね?

でも。
家のことに置き換えると、そう感じない方がいるのって、
少し不思議な感じがします。

わかりやすい例でいえば、ここ最近お話しましたが、
床に使うフローリングについて。


無垢の床材は、経年で色が変化していって、
当初とは違う表情を見せてくれます。

その変化って、自然なことなんですけど、
当初のイメージと違ってしまうので、いや!

ということで、木目をプリントしたシートを表面に
張ったフローリングを、敢えてセレクトする方って
結構いらっしゃいます。

確かに、当初のままの印象を継続できます。
ただ、無変化ではないので、長年では色あせは
していくことに。

気が付きました?
色の変化と色あせって違いますよね?

変化していくのって、劣化ではないのですが、
色あせって、劣化を感じませんか?

だからといって、
色あせがダメということじゃないんですよ。

新建材と言われている床とか壁、建具や外壁は、
見た目の継続的な変化は少なくできますが、
長い目でみると、塗り替えや張替が伴います。

一方で、無垢等の自然素材は、変化は大きいですが、
その変化で、野球のグローブのように味が出てくるので、
張り替え等の必要もないでしょうね。

ちなみに。
無垢の床材で、もとに戻したければ、表面を薄く
研磨すれば、復活しますよ。

ここ最近は、魅力的な新建材がどんどん出ていて
機能面でも優位なので、そちらに目が行きがちですが、
経年変化を愉しめる感性を持てると、より魅力的な暮らしが
実現できるかもしれませんね。

立ち止まって考えてみるのもいいかなと思います。

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