建築家に家づくりを依頼すると費用が高いと思い込んでいませんか?
今回は建築家ならではの工夫で建て主の希望を実現させた、総工費500万円以下のマンションリフォームを紹介します。
コストが変わる5つのポイント(リフォーム編)
リフォームの場合、コストを抑えるには材料費や工事費を節約することが重要になります。とはいえ、ただ安価な材料を使うばかりでは住宅の質が落ちてしまいますので、下記に挙げるようなポイントを実践しましょう。
1.使えるところは残す
リフォームでは、新しいものに交換する場所が多ければ多いほどコストもアップします。古くなったからといってすべてを交換するのではなく、残せるところは残すことが重要です。逆に建具などは、古いもの特有の味があるものも多いので、コストを抑えつつ個性的な空間に生まれ変わることも。
2.仕上げ材を省略する
通常、内部の壁をつくるには、柱の上から合板と呼ばれる板材を張り、その上にクロスなどの仕上げを張っていきます。このとき、あえて仕上げを張らず、板材を「見せる」のも1つの方法。かなりシンプルにはなりますが、スッキリとした印象にすることができます。
3.安価な材料を活用する
壁の仕上げ材料ならビニールクロスが最も低コストです。ビニールクロスというと、昔の「壁紙」のイメージが強いかもしれませんが、最近の製品は色や質感のバリエーションが豊富で、インテリアや家具に合わせて選ぶことができるので、こうした製品をうまく活用して、コストダウンを図ることも可能。
4.施主施工(セルフDIY)のススメ
ビニールクロスやタイルなどは、いわゆる「DIY」でリフォームすることもできます。クロスなら上から色を塗るだけ、タイルも専用の接着剤で上から新しいタイルを貼るだけで雰囲気を一新できます。材料はホームセンターやインターネットなどで揃えることができるので、「こだわりたいけどちょっと予算が足りない」という時に活用するのも手です。
5.施主支給でローコストにつなげる
最近では家具などのほか、キッチンもオシャレで安い製品が増えています。こうした製品を個人で購入し、それをリフォーム工事の際に設置してもらう「施主支給」でローコストを実現する方法もあります。ただし「運び込んだはいいけど設置できなかった」という事がないよう、事前に設計士としっかり相談しておきましょう。
建築家による総工費500万円以下のリフォーム・リノベーション集合住宅事例
「建築家O-uccino」に投稿されているリフォームの作品事例は200作品以上!その中でもマンションやアパートなどの予算500万円以下で実現したローコストリフォーム事例を紹介します。
- 坪単価
- 16.6万円
- 総工費目安
- 35万円
- 延床面積
- :75m²
- 間取り
- :1LDK
- 家族構成
- :4人家族
事務所兼用の自邸です。DIYをたくさん取り入れてリノベーションしました。大規模修繕の済んだマンションの一室を購入し、浴室以外スケルトンリフォーム。マンションは湿気が悩みの種ですが、無垢の杉板の床材がかなりの湿気吸収の効果を出してくれています。もともとあった障子や畳下地の杉板を再利用した、ちょっと懐かしい雰囲気です。
- 坪単価
- 21.2万円
- 総工費目安
- 450万円
- 延床面積
- :70m²
- 間取り
- :1LDK
- 家族構成
- :単身
収納の一角に調理台、机の一部を流しに設置するなど、複数の用途を兼ねることにより、製作物を減らしたり、壁の漆喰塗を施主施工とする等でコストを抑えた。また、天井や一部配管をむき出しとしたデザインとした。
- 総工費目安
- 300万円
- 延床面積
- :60m²
- 間取り
- :3DK
- 家族構成
- :2人家族
1部屋は納戸として利用することから何もしないこととし、和室や壁をなくし、収納を移設し、シンプルでオープンな空間をプランニング。大きな引戸を工夫することにより、部屋を開放したり閉じたりする使い方で変化のある空間作りを可能とした。
- 総工費目安
- 300万円
- 延床面積
- :39m²
- 間取り
- :1DK
- 家族構成
- :3人家族
家族3人がほぼ1ルームに住むにしてはあまりにも小さな空間。小さくても快適に使うために最低限何が必要なのか?削ぎ落した空間の中で楽しく暮らせることを考え設計した。
- 坪単価
- 35万円
- 総工費目安
- 350万円
- 延床面積
- :33.6m²
- 間取り
- :1ルーム~2LDK
- 家族構成
- :3人家族
既存の間取りや設備を再利用したプラン。造作家具による空間の有効利用。メリハリをつけた仕様の選択。施主支給やDIY制作。打合せを通して、クライアントの生活に本当に必要なものとそうではない物を判断し、コストを割り当てた。
- 坪単価
- -
- 総工費目安
- 450万円
- 延床面積
- :-m²
- 間取り
- :1LDK
- 家族構成
- :-
自然で心地よく広々とした空間にしたい依頼のもと、コンクリート、ビニールクロスのマンションを自然素材を利用してリノベーション。お客様からは「眠りが深くなった」との感想をいただきました。
- 坪単価
- 16.8万円
- 総工費目安
- 300万円
- 延床面積
- :61m²
- 間取り
- :2LDK
- 家族構成
- :3人家族
約60m²のコンパクトな中古マンションを間仕切りを取り除き3LDK⇒2LDKへ変更。 余計なものや装飾を加えるのではなく、無駄を取り除きあるべきものをあるべきところに収める。可能な限り本物の素材でつくる、そんな引き算のデザインで設計、コストを抑えることを実現化。
- 総工費目安
- 400万円
- 延床面積
- :50m²
- 間取り
- :1LDK
- 家族構成
- :-
間取りの変更は行わず、内装仕上げの改修と、水回り設備を更新。リビング・ダイニングルームと寝室の壁の珪藻土はお施主さん自らが行った。床は、防音対策のマットの上にナラ無垢材のフローリングを張り。キッチンと食器棚は家具工事で製作。
- 坪単価
- 25.5万円
- 総工費目安
- 250万円
- 延床面積
- :32m²
- 間取り
- :1LDK
コンクリート打ち放しの壁面はシナベニヤに柿渋塗装に仕上げました。2部屋に仕切る新規の壁は、シナベニヤを使用して天井までの棚と収納からなる家具を作りました。間仕切りの扉は家具の中に納まるようにしています。また作業台をミニキッチンに作り替える際にはシナベニヤだけでなく、アクセントにタモやチークなどの無垢材を用いて上品さを保つデザインに。
- 坪単価
- 34万円
- 総工費目安
- 300万円
- 延床面積
- :30m²
- 間取り
- :2K
賃貸物件は収益などのコストの観点を重視する傾向が強いため、安価で無難な仕上げになりがちです。他とは違う個性ひきだした間取りやデザインにすることで、特別感がある部屋へと変わっていきます。住む人のことを考えて使いやすいデザインを提案しています。
- 坪単価
- 22.5万円
- 総工費目安
- 400万円
- 延床面積
- :58.6m²
- 間取り
- :1LDK
- 家族構成
- :-
築15年の大手ディベロッパーマンションの一室。フラワーアレンジメントのレッスンスタジオ・アトリエ兼住居として、職住一緒の場でありながら、SOHO機能をより高めるため、LDKと洋室が引き戸で連続していたものを、壁をとりはらって一室にし、空間をよりすっきりと使えるようにしていた。
- 坪単価
- 42万円
- 総工費目安
- 450万円
- 延床面積
- :35m²
- 間取り
- :1LDK
素材を施主がネット購入する施主支給、ユニットバスなどの設備のリニューアルをやめる、解体後に付け足す部分を少なくするなど、既存部分の使える部分は使うことで、コスト削減に。