建築家だからここまでできた!
注文住宅を求める人にとって避けては通れない「土地選び」。特に都市部で注文住宅を建てるとなると、50m²を下回るような、いわゆる「狭小地」が有力な選択肢となることもあるでしょう。こうした小さな土地はさまざまな制約がつきまとうのも事実。そんなときこそ、建築家の持つ経験とノウハウが大いに役立つのです。

狭小地でも広さが感じられる設計に!

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1.法律的な制限を逆手に取ったデザイン
法律的な制約も狭小地での課題の1つです。代表的なものに、「道路斜線制限」と呼ばれるものがあります。これは、道路の反対側から一定の角度で斜線を引いたと想定し、その斜線よりも建物の方が低くなるように計画しなければならない、というもの。この制限をそのまま守ると、居住スペースはどんどん小さくなってしまいます。そこで、たとえば屋根のかたちを斜線に沿って斜めにカットし、この形を考慮した全体計画にすれば、建物に個性をもたらす「デザイン」となります。こうした法律上の制限を逆手に取ったデザインも、建築家の得意分野です。
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2.プライバシーを確保しつつ、明るさを確保
他にも、「プライバシーの確保と採光をどう両立するか」という課題もあります。狭小地では隣地がすぐそこに迫っていることが多いため、窓を大きく取ることが難しくなります。こんなとき、建築家なら、たとえばハイサイドライトやトップライトなどを適切な位置に効果的に設けて、視線を気にせず光りを取り込むといった方法で柔軟に対処してくれるはずです。
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3.省スペースとデザイン性アップを同時に実現!
室内を移動するためには、通路や階段はどうしても必要になります。しかし、狭小地では、こうしたスペースはなるべく最小限に抑えたいところ。そこで、たとえば階段を「らせん階段」にすることで、省スペースを実現しつつ、空間のアクセントにするという方法があります。このように、スペースの有効活用とデザイン性アップを同時に実現できるのも、建築家の強みの1つなのです。
建築家による狭小住宅事例
「建築家O-uccino」に投稿されている注文住宅事例は850作品以上!
その中でも厳選した狭小住宅の作品事例を紹介します。
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House K
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ST-HOUSE(渋谷区)
狭小住宅のポイント
幹線道路から少し離れた住宅地に建つ、敷地面積12坪ほどの小さな3階建ての住宅である。建て主の要望は「閉じつつも明るい空間」という都市生活者の普遍的なものでした。コスト面や、必要な諸室により、シンプルに積層された木造の3階建てとし、また、建物の高さや階高は、北側斜線制限により自然と決まっていきました。LDKの配置は、垂直方向に対して、この限られたボリュームを最大に感じられるように、階段室と一体とした1階に配置し、水平方向に対しては、敷地の大きさを最大限に活かすため、敷地境界線にコンクリートブロック塀を設け、わずかな外部の隙間を、内部空間として感じられるようにしました。建物と、コンクリートブロック塀の隙間からの自然光は、2、3階のような直接光ではなく、間接照明の様な柔らかい光となっています。
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F - HOUSE
狭小住宅のポイント
建築面積6坪、延床面積12坪、幅1間半と、これ以上の超狭小住宅はないというほどの小さな家。狭小住宅だからこその工夫や空間の面白さがあります。同様の大きさで建てられないとお悩みのクライアントさんは是非! 立体的に空間を構成することで快適に住める住宅に。
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南台の家
狭小住宅のポイント
決して広くはない三角形の平面と、接道する2面がともに狭隘道路であるため、道路斜線も大変に厳しい条件でした。さらに近接する周辺家屋からプライバシーの守られた、落ち着いて過ごせる内部空間を確保することに大変な工夫が必要であった。
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狭小地の重量鉄骨3Fガレージハウス
狭小住宅のポイント
14.8坪の敷地で、駐車場2台、スクーター5台を収容できる重量鉄骨3Fのガレージハウス。狭小地でありながら、広々した空間を生み出し、屋上では、BBQが楽しめるように設計。
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うさぎの家5
狭小住宅のポイント
まわりは四方を隣家に囲まれている上に道路からのアプローチ部分を除いた面積は約20坪とかなり厳しい条件でしたがそれを逆手に取り、暮らしやすさと個性にかえることをコンセプトに。
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グラデーションルーバーの家
狭小住宅のポイント
間口4m広さ13坪の敷地に建坪7.75坪、延床20.84坪のコンパクトな住宅だが、間仕切り壁を薄くしたり光を通す素材を多用し狭さを緩和させている。狭いながらも前庭や後庭で自然を感じられる豊かな空間を目指した。
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桑津の家2
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B.house
狭小住宅のポイント
周囲を中層マンションや住宅に囲まれた21坪の旗竿敷地。こちらの住宅の設計のポイントは、住空間の拡大と周囲との調和の両立、開放性の獲得を目的とした住宅。外部よりは内部に近い半内部という領域を設定し、内部としての居室の外周に半内部を拡大することで、両立を目論みました。半内部としてのテラスとその表皮は周囲に光と風と距離を提供する靄(もや)として成立し、住環境を敷地一杯まで拡大します。
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敷地10坪の家
狭小住宅のポイント
杭工事が必要な地盤が良くない不利な土地であり、10坪弱の敷地にホームエレベーターと駐車場を設置することはとても難題であった。最終的に部屋数および広さを求めた結果、廊下を必要としない階段の踊り場毎に部屋をつくる4階建てのスキップフロアタイプの空間構成とし、鉄骨の柱本数を調整することで、さらに広さの確保に努めた。北側斜線に沿った屋根とし、最上階のに収納用のロフトを設置した。
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9坪の狭小値地に建つサンカクアパートメント
狭小住宅のポイント
敷地9坪・三角形の敷地に4階建のマンションを実現。通常3階の屋根裏にしかならないスペースを居室にするよう各階の階高を抑え、4階の床レベルを下げた。更に斜線でカットされる斜めの部分をガラスにすることで屋根裏というよりもアトリエのような魅力的な空間となった。
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エビエスケイル
狭小住宅のポイント
周辺に対しては存在感と新しさを考えました。高さは近隣に出来るだけ揃うよう配慮し、屋上緑化することで開放的な庭を造っています。各階はスキップフロアと吹抜けでつなげ一体感を持つよう配慮。狭小地かつ2世帯住宅ですが、ご家族全員に個室があり非常にコストパフォーマンスのよい住まいに。
KU.building
狭小住宅のポイント
収納や構造、設備といった動かない部分と人が活動するためのフリーな部分のあり方を再検討し、床の積層に加え収納、設備、構造を外壁の外側に積層させていくことで、狭小地においてフレキシブルな空間を最大限に確保した。
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下馬の家
狭小住宅のポイント
住宅密集地の中で光と風を取り込むために光庭を設けました。
光庭と隣接した階段室の床をグレーチングとすることでさらに効率よく光を取り込んだ。
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B.house
狭小住宅のポイント
周囲を中層マンションや住宅に囲まれた21坪の旗竿敷地。こちらの住宅の設計のポイントは、住空間の拡大と周囲との調和の両立、開放性の獲得を目的とした住宅。外部よりは内部に近い半内部という領域を設定し、内部としての居室の外周に半内部を拡大することで、両立を目論みました。 半内部としてのテラスとその表皮は周囲に光と風と距離を提供する靄(もや)として成立し、住環境を敷地一杯まで拡大します。
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敷地10坪の家
狭小住宅のポイント
杭工事が必要な地盤が良くない不利な土地であり、10坪弱の敷地にホームエレベーターと駐車場を設置することはとても難題であった。最終的に部屋数および広さを求めた結果、廊下を必要としない階段の踊り場毎に部屋をつくる4階建てのスキップフロアタイプの空間構成とし、鉄骨の柱本数を調整することで、さらに広さの確保に努めた。北側斜線に沿った屋根とし、最上階のに収納用のロフトを設置した。
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リトル プロヴェンスの家:狭小住宅
狭小住宅のポイント
敷地いっぱいに建てた狭小住宅・ビルトインガレージを含めて20坪の中で、1階にはテラスのスペース、隣接する住宅からの視界を気にせず、暮らせる家創り。家中どこでも光を感じるプランとなった。
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ときわ台の家
狭小住宅のポイント
小さな中庭をコの字に囲んだ家。午前中は中庭からの光、午後は螺旋階段からの光が、白い壁に反射して室内を柔らかく満たします。中庭に面する2階廊下の格子床は、キッチンの奥まで光を届けます。また2階の子どもたちとのコミュニケーションの場にもなっている。
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中野の家
狭小住宅のポイント
狭小敷地に加え、道路斜線と北側斜線によって高さを抑えられた中で、より多くの空間を確保する為に、建物は半地下のある3層構成としています。最上階のリビング・ダイニングは天井を道路斜線(天空率を採用)と北側斜線と同じ勾配の大空間として、また、大きなトップライトやテラスを設けることで明るくて開放感のある空間としました。
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suijin_House
狭小住宅のポイント
大人3人が互いのプライバシーを保ちながら住むための家。隣地が迫る限られた空間で窓の位置や吹き抜けを使い、開放的な空間に仕立てました。外観はご主人が愛してやまない仙人池から見た剣岳をイメージしています。 空気集熱式ソーラーシステム「そよ風」搭載で冬の暖房効果と夏のクーリングを実現しています。ロフトも涼しいと好評です。
シンプルでナチュラルでまっ白なハコの家です。「明るく、開放的で、防犯性とプライバシーも確保したい」という依頼のもと、2階のLDKはできるだけ広くとり、ガレージの上部を吹抜けとしてそこを壁で囲い、プライバシーを守りながら光と風を導く工夫をおこなった。2階のLDKは20畳以上の大空間。さらにインナーバルコニー、吹抜けも取り込んで広がりを持たせ建物の中心に階段を配置し、狭小地ながら家族が触れ合うことができる空間構成となった。