建築家だからここまでできた！
マイホームの土地選びでは、「どこに、どのくらいの大きさで駐車場のスペースを取るか？」が大きな悩みの種となります。せっかく家を建てるなら駐車場は欲しいけど、その分部屋が狭くなるのは困る・・・と頭を抱える人も多いのではないでしょうか。今回は、そんな悩みを解決する建築家×ガレージハウスの事例をご紹介します。
土地が小さくても駐車場を手に入れる「ガレージハウス」とは？
戸建て住宅の駐車場といえば、庭の一部を切り取るようにして、建物とは別の場所にスペースを取るのが一般的です。しかしこうした駐車場をつくると、その分だけ建物の面積が小さくなってしまうため、狭小地ではなかなか難しいのが実情です。そこでぜひ知っておきたいのが、建築家と建てる「ガレージハウス」。建物の一部をガレージにすることで、小さな土地でも駐車場を手に入れることができるのです。
-
駐車場を家の一部に取り込む「ガレージハウス」
ガレージハウスとは、簡単に言えば「駐車場を建物の一部として取り込む」こと。一般的には、1階の一部をくり抜くようにして、建物と一体の駐車場をつくります。これなら敷地いっぱいに建物を建てられますし、駐車場の上に部屋をつくることができるので、小さな土地には最適です。2階がそのまま駐車場の屋根代わりにもなってくれるというメリットもあります。
ガレージハウスの重要なポイントは、「クルマが出入りしやすいこと」、そして、「外から見たときのデザイン」です。クルマが曲がる角度を考えて間口を設計したり、ただのシャッターではなく外壁と一体に見せる門扉をつくったりするなど、建築家の腕の見せ所でもあります。ぜひ建築家と、効率的で、安全で、セキュリティもデザイン性も高いガレージハウスを目指してみては？ -
クルマ好きを唸らせる！「究極のガレージハウス」とは？
先にご紹介した一般的なガレージハウスは、建物と一体とはいえ、ガレージは外壁と同様の壁で囲われ、出入りは玄関を経由してクルマに乗り込むタイプがほとんどです。しかし、中には「毎日愛車の近くで生活したい！」という人もいるのではないでしょうか。
そんな無類のクルマ好きには、「ガラス張りのガレージ」という選択肢もあります。例えばコの字型の間取りとしてその中心にガラス張りのガレージをつくれば、いつでもどこでも大切な愛車に目が届きます。断熱や気密・防音など、クリアすべき問題も多くなるため事前の検討が重要ですが、「これぞ建築家のガレージハウス」という個性的な住宅になることは間違いないはず。ただのガレージハウスでは満足できないという人は、建築家に相談してみるのもよいかもしれません。 -
2台分の駐車スペースを確保するには？
2世帯住宅や、夫婦がそれぞれクルマを所有している場合など、1つの敷地に2台のクルマを停めたいという要望も少なくないはず。ただし、一般的な木造住宅では、構造上の問題から、2台のクルマが停められるガレージハウスの建設は非常に困難となります。ハウスメーカーや工務店によっては、建物を小さくして駐車場をつくることを提案される可能性もあります。
そんなときはぜひ、建築家に相談してみることをオススメします。構造設計者とのコラボレーションで問題をクリアしたり、特殊な工法を用いて強度を持たせたりすることで、余裕たっぷりの駐車場をきっと実現してくれるはずです。予算に余裕があるなら、木造に比べ大きなガレージハウスがつくりやすいRC造や鉄骨造を検討するのも一つの手です。
このように、ガレージハウスにもさまざまなタイプがあります。建築家とじっくり相談し、自分に最適なガレージハウスを手に入れてください。
建築家によるガレージハウス事例
建築家がさまざまな工夫を凝らしデザインをした、こだわりのガレージハウスをラインナップしてお届けします。
-
BA.house
-
稲沢GH/黒い箱
- 総工費
- 2500万円
- 敷地面積
- 151.7m²
- 延床面積
- 113.4m²
ガレージハウスのポイント
生活感の出ないスタイリッシュなインテリア。ガレージにも床暖房を設けてカーライフを満喫したい、という要望を受け、外部に対して一切の開口を持たない黒い箱は内部に設けたライトコート（光の庭）で全ての居住空間を光で満たす計画としています。 建物の機能形態はガレージハウス。
生活空間とクルマ空間の間にライトウェル（光の井戸）を設け、付かず離れずの曖昧な距離感を演出しています。
-
Stepup-House
- 総工費
- ―
- 敷地面積
- ―
- 延床面積
- ―
ガレージハウスのポイント
リビングを囲むように昇降する大階段が主要動線である。その階段を幹としクラスター方式のプラン構成により移動する場合には、必然的にここを通過する。また、この空間を成立させる上で重要な要素は無柱空間である。
約45㎡のこのスペースを活かすために2階の床を吹き抜け上部の天井からスチールで吊ることで可能にしている。これにより、平面的に連続性と断面的に連携が高められるスペースが誕生した。 -
NA.house
- 総工費
- 1780万円
- 敷地面積
- 150.3m²
- 延床面積
- 101.9m²
ガレージハウスのポイント
開いた部分のガレージとLDKは床の高さによって緩やかに分節され、天井高5785mmの空間に配置されている。それぞれに必要な天井高を確保するように個室等の閉じた部分を立体的に配置している。仕切りのない空間に閉じた部分が連続的な形となって立体的に現れ、小さな開口で開いた部分と視線的に関係している。閉じた部分は外壁を貫くと間口一杯の開口として外部に開き、内部に閉じることで個室としての独立性を強めている。
-
谷塚のコートハウス
- 総工費
- 3500万円
- 敷地面積
- 179m²
- 延床面積
- 159.4m²
ガレージハウスのポイント
中庭を囲んで家族が一つになる家
ご主人の夢であったリビングのホームシアターとガレージ、中庭へ開く奥様のアトリエ、吹き抜けに面したオープンな子供部屋、バスコートのある開放的な浴室、家族それぞれのための空間、個々の居場所が中庭とそれに面する吹抜けを囲んで緩やかにつながることで、ひとつの家をかたちづくります。
家のどこにいても家族の気配を感じられるあたたかな家です。 -
ＭａｓｓａＬ－１６
- 総工費
- 2500万円
- 敷地面積
- 105m²
- 延床面積
- 142.1m²
ガレージハウスのポイント
お好きな車と一緒に生活をしたいとの希望でした。
Ｌ型の空間を組み合わせて出来た隙間に駐車場を組み込んでいます。
地下に計画されたＬＤＫは1階に向けて吹き抜けており、1階から取り込んだ太陽光が地階に陽だまりをつくっています。
-
hpGarage/奈良 白庭台の家
- 総工費
- ―
- 敷地面積
- ―
- 延床面積
- 99.2m²
ガレージハウスのポイント
DINKSをクライアントとするこの建築は、家族構成のシンプルさも後押しして、その文脈を骨組みから色濃く反映させた、謂わば「住まいの原型」のような建築です。自動車と乗馬を趣味とし、アートディレクタ－という職業柄蔵書も多いクライアントの要望は明快で、それらを生活空間の中に同化させる事が要望されました。1階平面は大きく3分割され、中央にＬＤＫ、左右にインナ－ガレ－ジと中庭を配した構成です。生活空間の中に趣味である自動車が日常の同居人というスタンスで介在するように意図されています。
-
NM.house
- 総工費
- 4800万円
- 敷地面積
- 135.5m²
- 延床面積
- 130.9m²
ガレージハウスのポイント
建蔽率いっぱいの内部空間と、機能を分節する外部空間によって構成され、内部と外部を等価に配置している。内部には構造壁が一切無く、内部と外部はガラスのみで仕切られるため、各部屋からの最大限の空間の広がりと、採光、通風を確保している。 諸室の構成は各フロア一人がそれぞれにパブリック部分と寝室を持つ形で配置されている。2Fへは中庭の外部階段を通る別動線でのアプローチとし、完全分離の2世帯住宅としている。
-
DOG RUN
- 総工費
- 3500万円
- 敷地面積
- ―
- 延床面積
- ―
ガレージハウスのポイント
犬も人も尊重した空間を目指しました。
車も大好きなご主人のためにリビングとガレージが密接したガレージハウスでもあります。 -
豊中のガレージハウス
-
ねことマンガと車の家
- 総工費
- 2500万円
- 敷地面積
- -m²
- 延床面積
- -m²
ガレージハウスのポイント
マンガ好きで車好きなオーナーとねこちゃんが２匹居るマイホームです。幾何学的な３つの大きさの違うキューブを配置してシンプルな形としています。無機質になりがちな外観に木を使用して柔らかい表情としています。
1階はガラスで囲まれたガレージを中心に配置し、リビングとダイニング・キッチンを柔らかく分節しつつ、視覚的に連続する一体的な空間としている。2階はガレージの吹抜けを中心に閉じた空間を左右に振り分け、吹抜けを介して1階の開かれた空間と視線的に連続させている。 1階のトラス状の壁と2階の壁梁によって、仕切りのない大きな空間を実現させ、1階の開かれた空間を広い敷地とその先の開けた眺望へと連続させている。