建築家の技・家づくりのヒントに出会える!

建築家主催のオープンハウスへ行こう!

家の新築やリノベーションの依頼先を選ぶにあたり、できれば積極的に参加したいのが、設計事務所などによって開催されるオープンハウス。モデルハウスを持たない小さな会社の実例が見られるだけでなく、実際に住むために設計されたものなので、家づくりに活かせるリアルな情報やヒントが満載です。

オープンハウス、見学会とは

お施主様のご厚意により、引渡し前の住まいを公開

完成見学会ともいわれるオープンハウスとは、お施主様の了承を得た上で引き渡し前の家を公開する催しです。ハウスメーカーなどのモデルハウスがあくまでもコンセプトや商品ラインナップを示すのに対し、オープンハウスはお施主様の希望やライフスタイルを大きく反映している点が大きな違いです。当然ながら担当した建築家のカラーも反映されておりますが、そのあたりの違いを理解した上で賢く活用しましょう。

実際に住むための家だから等身大

メーカーのブランドや技術を知る上でモデルハウスは多いに役立ちますが、実生活のような制約がない分、どうしても豪華で大きくなりがちです。また敷地についても住宅展示場のような整備された区画と違いオープンハウスは、特定の家族が住むことを前提とした住まいなので、街並に溶け込むよう配慮されていることはもちろん、プライバシー性や日照、近隣との接地面等も確認ができるのがメリット。贅沢なインテリアで過剰に演出されることもありません。

オープンハウスには家づくりのヒントが盛りだくさん。写真は長谷川拓也建築デザインのオープンハウスを行った作品事例。

オープンハウスには家づくりのヒントが盛りだくさん。写真は長谷川拓也建築デザインのオープンハウスを行った作品事例。

建築家の人柄やセンスもわかる

基本的に建築家など家づくりに携わった担当者が立ち合い、具体的な話をじっくりと聞けるのもオープンハウスの魅力です。設計意図や工夫、住まい手への配慮など、遠慮なく尋ねてみましょう。家づくりの傾向が把握できると同時に、建築家の人柄やセンスもうかがい知れるはずです。

メーカーの規格商品と違う「0からの家づくり」には新しい発見がいろいろ

使われている設備や内装は、お施主様の希望や好みに基づき、設計されています。。間取りも家族構成やライフスタイル、敷地条件等を考慮して設計されているため、同じ建築家が手掛けた住まいでも、まったく違うテイストということもしばしばあります。行くたびに新しい部材・建材、アイデア等の発見もあり、住まいづくりを検討されている方にとっては有意義な見学会となることでしょう。

家づくりのヒントをチェック!

チェックしたい項目

  • 外観フォルム、外壁、屋根、軒天、バルコニーやテラスなどの建物の外側
  • 床、壁、サッシ、建具などの内部仕様・部材
  • 動線、間取り(注文住宅、リノベーションともに)
  • 住宅設備
  • 採光、通風、日照
  • 建築家の人柄やセンス、テイスト

FAQ オープンハウス、設計事務所主催の見学会~よくある質問~

オープンハウスは個人の家を公開するという特性上、モデルハウスのように広く告知されることはありません。そのため参加しにくいイメージを持つ人もあるようですが、実は誰でも気軽に参加が可能です。このコーナーではよくある質問にお答えします。

いつ開催されるかを知る方法は?

設計事務所・建築家の公式サイトやブログに随時掲載されるので、気になる会社や建築家を見つけたらまめにチェックをするようにしましょう。一度問い合わせを入れた方には、メール等で情報をお知らせする事務所も多いようです。すぐに開催予定がない場合も、入居済みの家を見学させてもらえるケースもありますので、問い合わせてをしてみるのも手です。

参加の申し込みは必要ですか?

ほとんどのオープンハウスは事前予約制です。お施主様のご厚意により個人宅をオープンにするのですから、当然ながら参加者の名前は把握しておく必要があり、事務所の規模により対応できる人数にも限りがあるからです。ウェブサイト等で申し込むと現地地図など詳しい案内が送られてくるという流れが一般的です。定員になり次第締め切られることもあります。

すぐに建てる予定はないのですが、
参加は可能ですか?

注文住宅やリノベーションを2、3年後に、と検討している方はもちろん、いずれ建てたいという方についても参加に制限は設けておりません。基本的にオープンハウスは、建築家や設計事務所が家づくりの考え方やスタイルを紹介する場。参加後にしつこい営業の電話で悩まされる心配も一切ありません。

オープンハウス見学会のマナー

ご厚意を無にしないため
正しいマナーで見学を

オープンハウスはお施主様のご厚意で開催されるものなので、最低限のマナーは心得ておきましょう。当日のアクセスは公共交通機関を利用し、マイカーを使う場合は駐車場の場所の確認を含め、事前に許可を得ておく必要があります。小さな子どもを連れて行くことは避け、必要に応じてスリッパや手袋の持参など主催者の指示に従うようにしましょう。室内の見学時は傷や汚れをつけないように細心の注意を払い、写真を撮る場合も必ず一声掛けてから。タバコを吸ったり、トイレを利用したり、家の批判をしたりすることは論外です。

オープンハウス、私達の場合

お施主様のご厚意により開催されるオープンハウス。主催する事務所や建築家によっても傾向はかわってきます。このコーナーでは3つの事務所にお話しを伺いました。

長谷川拓也建築デザイン長谷川拓也 さんの場合

オープンハウスにもなるべくリアリティを持たせるようにしています

私どものオープンハウス(見学会)は月に1、2回くらいの頻度で開催しています。いろいろな方に知っていただきたいため、特に予約制にはしておらず、引渡し前の家具などが搬入されていない空間ですと、リアリティに欠けるため、家具メーカーさんにご協力いただいたり等「テーマ性」を持たせたオープンハウスにしています。オープンハウスはお施主様の要望を色濃く映しだしていることもあり、和テイスト・モダンなど、それぞれの顔が違います。私どもの事務所ができるバリエーションを把握していただいた上で、作品のテイストとご希望に合うかどうかを知っていただく場と考えています。また、フローリングや建具などの木材については、肉眼でみてもらるとメリットデメリットも把握できますし、素材の見比べも容易です。杉のフローリングだと少し柔らかすぎるな、とか、塗り壁だと室内がシャープに見えないなど、お客様と私どもが同じものを通して「共通の認識」を持てる場にもなるので、契約後のお客様には3棟以上見学していただくようにしています。オープンハウス時によく質問を受ける内容についてですがやはり一番多いのは、「設計事務所との家づくりの仕組み」についてです。ハウスメーカーや建売住宅、それぞれにメリットとデメリットがあると思いますが、設計事務所との家づくりは0からのものなので、そのあたりもきちんとご説明させていただいております。少しでもこだわりのある方であれば、ぜひ設計事務所との家づくりをおすすめします。

軽食を用意して、庭の縁側で来場者がくつろげるようにしたオープンハウスの様子

軽食を用意して、庭の縁側で来場者がくつろげるようにしたオープンハウスの様子

それぞれにテイストや趣を変え、イベント性を高めています

それぞれにテイストや趣を変え、イベント性を高めています

主催者側の指示に従い、手袋やスリッパなどを必ず着用するようにしましょう

主催者側の指示に従い、手袋やスリッパなどを必ず着用するようにしましょう

一級建築士事務所 group-scoop安河内健司+西岡久実さんの場合

オープンハウスは家づくりのヒントがたんさんつまっています。ぜひ足をお運びください。

インターネットや雑誌など、建物の写真や図面をご覧になる機会は多いかと思います。しかし、写真のフレームの外には実際どのような空間や景色が広がっているのでしょうか?光や影が、時間とともにどう変化し、風がどのように流れ、窓から何が見え、どんな風合いの素材が使われているか。光、影、風、音、香り、温度、素材感、居心地などなど…オープンハウスは、図面や写真では伝わりづらい、その場に身をおかないと感じることのできないリアルな感覚を実体感できる貴重な機会であり、家づくりのヒントがたくさん詰まっている場所です。ぜひ足をお運びになり、自由に体感してみてください。

オープンハウスを兼ねた事務所。「こちらで採用している部材と同じものを」とリクエストする方も多いのだとか。建築家のセンスの良さを感じられる空間です

オープンハウスを兼ねた事務所。「こちらで採用している部材と同じものを」とリクエストする方も多いのだとか。建築家のセンスの良さを感じられる空間です

写真では伝わりづらい光、影、風、音、香りなど、いろいろなことを体感してみましょう。写真は安河内健司 + 西岡久実さんの作品事例「ナガヤネ ~長い屋根と土間の家~」。こちらの作品事例も引き渡し前にオープンハウスを開催したことがある作品です

ハンズデザイン一級建築士事務所星名岳志 星名貴子さんの場合

ひとつひとつの風景、部分、素材の中にある物語を体感してください

ハンズデザインは、これから住まいづくりを考えている方のためになる実例として、打合せや工事過程のホームページでの公開と完成後のオープンハウスの開催をお施主様にお願いしています。オープンハウスは完全予約制にしているので、ゆっくり見ていただくことができます。オープンハウスは私たちからみなさんへの自己紹介の場だと考えています。私たち自身のことを知ってもらい、お施主様と一緒につくった住まいを体感していただくことが目的ですので、具体的なご相談は改めてご依頼をいただいてからのスタートになります。決して「敷居の高い」ものではありませんし、マンションの販売のような営業もありません。ハンズデザインは丁寧に細かく打合せを重ね、お施主様と一緒に悩んだり喜んだりするので、ひとつひとつの風景、部分、素材の中に物語があり、そのリアリティこそが住宅展示場やモデルルームにはない魅力です。一般的にオープンハウスは開催期間が1日など機会が希少ですが、ハンズデザインの自宅兼事務所である「私たちの家」はいつでも体験できるオープンハウスです。オープンハウスに興味があるけどタイミングが合わなくて行ったことがない方は是非一度体験してみてください。

軽食を用意して、庭の縁側で来場者がくつろげるようにしたオープンハウスの様子

オープンハウスを兼ねた事務所。「こちらで採用している部材と同じものを」とリクエストする方も多いのだとか。建築家のセンスの良さを感じられる空間です

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