建築家・ナイトウタカシさんのブログ「楽器別:必要な防音性能ってあるの?」

楽器別:必要な防音性能ってあるの?

2025/08/14 更新

今日は、お子様が楽器を習ってる方へ、防音のお話です。

子どもが楽器を習い始めると、当然ですけど、周りへの音って気になりますよね。練習を続けさせてあげたいけれど、

·「この音、外に聞こえてないか」

· 「夜に弾いたら迷惑かも」

と不安になることも少なくありません。

特に住宅地や集合住宅では、楽器の種類によって防音対策の必要度が大きく変わるので、その辺のことを知っておくといいかもしれませんね。

■ピアノ(アップライト・グランド)
ピアノは、鍵盤楽器の中でも特に音量が大きい楽器です。
グランドピアノであれば90〜100dB近く、これは電車のガード下に近いレベル。
住宅地では、窓や壁を閉めていても音漏れはほぼ確実です。

必要な防音レベル:D-50以上(外にほぼ聞こえないレベル)
対策のポイント:床の防振・二重サッシ・壁の二重構造

特にグランドピアノは低音が床や壁を伝わりやすいため、床の防振対策が大事です。

■バイオリン・チェロなどの弦楽器
弦楽器は、ピアノより音量は少し小さいものの、高音がよく通るのが特徴です。
特に夜間や静かな住宅街では、思った以上に遠くまで響きます。

必要な防音レベル:D-45〜50程度
対策のポイント:壁・窓の遮音+吸音材で響きを整える

弦楽器は部屋の響きが演奏の心地よさに直結します。
遮音だけでなく、吸音をバランスよく組み合わせることが重要です。

■フルート・クラリネットなどの木管楽器
音量は比較的控えめですが、高音域が通りやすく、隣家に届きやすいです。
リビングで気軽に練習する場合も、住宅密集地では注意が必要です。

必要な防音レベル:D-40〜45程度
対策のポイント:窓からの音漏れ対策を重点的に

■ドラム・打楽器全般
もっとも防音対策が必要な楽器です。
音だけでなく、床や壁を伝う振動音(固体音)が大きく、通常の住宅では苦情の原因になりやすいです。

必要な防音レベル:D-60以上+防振構造
対策のポイント:床の浮き構造、防振壁、天井の遮音

■ポイントは「楽器に合った対策」
防音室は一律ではなく、ある程度、楽器や演奏スタイルに合わせて検討することが理想です。
たとえば、子どもがアップライトピアノからグランドピアノにステップアップする予定があるなら、最初から床の防振性能を高めておくと安心です。

また、防音性能は高ければ高いほど良いというものでもありません。
遮音だけに偏ると、部屋の中で音がこもり、子どもが練習しづらくなることもあります。

ナイトウタカシ建築設計事務所では、

周辺環境
習う楽器の種類
家族の暮らし方

この3つを総合的に見て、ちょうどよい防音設計をご提案しています。

子どもの頑張る音が、家族の思い出になるように。
防音は、暮らしと未来を支える家づくりの一部なのです。


詳しく知りたいということであれば、こちらをご覧ください。

https://bouon-house1.jimdosite.com/

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