建築家・ナイトウタカシさんのブログ「赤ちゃんに優しい空気環境の条件」
赤ちゃんに優しい空気環境の条件
2025/09/19 更新
赤ちゃんのために家を整えるとき、真っ先に思い浮かぶのはベビーベッドやベビーグッズかもしれません。
でも実は、赤ちゃんにとっていちばん大切なのは「目に見えない空気の質」です。
赤ちゃんは「空気の影響」を大人より強く受ける
赤ちゃんは大人よりも呼吸数が多く、体重あたりで取り込む空気の量も多いといわれています。
つまり、同じ空間にいても、大人より多くの「空気」を吸っているのです。
そのため、空気に含まれるほこり・花粉・カビ・化学物質などの影響を強く受けやすく、ちょっとした環境の違いが体調や発達に影響することもあります。
赤ちゃんに優しい空気環境の条件
① 有害物質をできるだけ減らす
新築やリフォーム直後の家には、建材や家具からホルムアルデヒドなどの化学物質が放散されることがあります。
低ホルムアルデヒド建材や自然素材を選ぶ
換気をしっかり行う
こうした工夫が、赤ちゃんにやさしい環境の第一歩です。
② 適切な湿度を保つ
乾燥すると、赤ちゃんの肌や喉はすぐにダメージを受けてしまいます。
逆に湿度が高すぎるとカビやダニが繁殖しやすくなります。
40〜60%の湿度を保つことが理想
加湿器や除湿機を上手に使う
調湿性のある自然素材を取り入れる
③ 清浄な空気の流れをつくる
空気がよどむと、ほこりやハウスダストが床にたまりやすくなります。
赤ちゃんは床に近い位置で生活するため、空気の流れはとても重要です。
24時間換気システム
サーキュレーターで空気を動かす
窓を開けて自然換気
これらを組み合わせることで、空気はぐっと清浄に保てます。
④ 温度を安定させる
体温調整が未発達な赤ちゃんにとって、温度変化は大きな負担です。
冬は過度な乾燥を避けつつ20〜23℃程度
夏は28℃以下を目安に
断熱性能を高めた家なら、冷暖房効率も良く、温度ムラを防げます。
⑤ 香りや音にも配慮を
大人にとって心地よいアロマや消臭剤でも、赤ちゃんには強すぎる場合があります。
また、常時大きな音がする環境もストレスにつながります。
人工香料より自然素材を選ぶ
音がやわらかく伝わる設計を心がける
まとめ
赤ちゃんに優しい空気環境の条件は、
有害物質を減らす
湿度を適切に保つ
空気をよどませない
温度を安定させる
香りや音にも配慮する
この5つがそろえば、赤ちゃんはのびのびと健やかに育つことができます。
住まいの空気は目に見えませんが、家族の健康を左右する大切な要素です。
赤ちゃんの未来を思うなら、「空気から考える家づくり」が欠かせません。