建築家・ナイトウタカシさんのブログ「抽象画ってどう楽しむの?」

抽象画ってどう楽しむの?

2025/10/27 更新

アートを暮らしに取り入れるとき、「抽象画ってよくわからない」と感じる方は少なくありません。
確かに、風景画や人物画のように「何が描かれているか」がすぐには分からない。
でも実は、その“分からなさ”こそが、抽象画のいちばんの魅力なのです。

1. 正解を探さないことから始める
抽象画を前にすると、つい「これは何の形?」「何を表しているんだろう?」と考えてしまいます。
でも、それは少し違う入り口かもしれません。
抽象画は、意味を読み取るものではなく、感覚で受け取るもの。

たとえば音楽を聴くとき、曲の意味を考えずに「気持ちいい」「落ち着く」と感じることがありますよね。
それと同じように、抽象画は“目で聴く音楽”のようなもの。
「なんとなく好き」――それで十分なのです。

2. 形よりも“リズム”や“空気”を感じてみる
抽象画を眺めるときは、線や色のリズム、余白のバランスに目を向けてみましょう。

直線が多ければ、意志や静けさを感じる

曲線が多ければ、やわらかさや動きを感じる

淡い色は穏やかに、濃い色はエネルギッシュに

そうした感覚を言葉にできなくても構いません。
むしろ、言葉にならない感情を静かに受け取る時間が、心に余白をつくってくれます。

3. 空間との対話で“印象”が変わる
抽象画は飾る場所によって表情が変わります。
白い壁に飾れば凛とした印象、木の壁に飾ればやわらかく包み込むような印象。
照明の角度や明るさでも、色の見え方が大きく変わります。

つまり抽象画は、空間と対話するアート。
時間帯や季節によっても雰囲気が移ろう、その変化を楽しむことができるのです。

4. 小さなサイズから始めてみる
「いきなり大きな抽象画を飾るのはハードルが高い」という方は、
小さなキャンバスやポストカードサイズから試してみてください。

小さな作品をデスクや玄関、寝室の棚に置くだけでも、空気が変わります。
視界の片隅に“心を休ませる色”があるだけで、暮らしが静かに整っていく感覚が生まれます。

5. 感じる自分を楽しむ
抽象画の面白さは、「作品」ではなく「感じる自分」を味わうことにあります。
昨日は心地よく感じたのに、今日は少し重く見える。
同じ作品でも、日によって印象が変わるのは、あなたの心が動いている証拠です。

アートは、鏡のように私たちの内側を映します。
だからこそ、抽象画を飾ることは、自分と静かに向き合う時間を持つことでもあるのです。

まとめ
抽象画を理解する必要はありません。
“感じる”ことがすでに楽しむことなのです。

家の中に一枚、そんな絵を置いてみてください。
忙しさの中で、ふと立ち止まる。
その一瞬が、暮らしの中に小さな静寂をもたらしてくれます。

それは、言葉では語れない“美しい余白”を生きるということ。
抽象画は、その余白を教えてくれるアートなのです。

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