建築家・ナイトウタカシさんのブログ「季節ごとにアートを入れ替えるという楽しみ」

季節ごとにアートを入れ替えるという楽しみ

2025/11/24 更新

家の中の景色は、外の季節と同じように、少しずつ変わっていくのが理想です。


春の光、夏の風、秋の影、冬の静けさ。
それぞれの季節には、心地よい空気のリズムがあります。

アートを季節ごとに入れ替えるというのは、その変化を暮らしの中で“感じ取るための工夫”です。


難しく考える必要はありません。
たった一枚の絵、写真、ポスターを入れ替えるだけで、家の空気は見違えるように変わります。

1. 季節の色を取り入れる
まずは、色を基準に選んでみましょう。
季節ごとの色彩には、それぞれ心を整える効果があります。

春:淡いピンクやグリーン。芽吹きの柔らかさを感じるトーン

夏:ブルーやターコイズ。風や水を思わせる清涼感

秋:ブラウンやオレンジ。落ち着いた深みと温かみ

冬:グレーやシルバー。静けさや透明感を引き出す色

壁にかけるアートを変えるだけで、まるで空間が季節の服を着替えるように印象を変えます。

2. テーマでつなぐ“物語の四季”
色ではなく、テーマで季節を感じさせるのもおすすめです。

たとえば、

春は「はじまり」:花や光をモチーフにした作品

夏は「自由」:海、空、旅の写真

秋は「成熟」:静物画や抽象的な色面構成

冬は「内省」:モノクロや書のような静かな作品

作品のトーンが変わると、自然と暮らしのリズムも変化していきます。
一年を通して、空間が自分自身の心の状態を映すように感じられるでしょう。

3. “展示替え”のように楽しむ
美術館のように、季節の展示替えを楽しむ気持ちでアートを扱うのも素敵です。
壁にかけるだけでなく、棚に立てかけたり、額を床に置いたりしても構いません。

入れ替えのたびに、
「次はどんな作品を飾ろうか」
「この季節にはどんな光が合うだろうか」
と考える時間自体が、暮らしに豊かさをもたらします。

4. 季節の自然と共鳴させる
アートを飾るとき、外の景色との“つながり”を意識すると、空間がより深く響きます。
春は窓辺に花を、夏は光を受けるガラスのオブジェを、秋はドライリーフを、冬はキャンドルを添える。

アートだけで完結させず、自然と組み合わせることで、季節のうつろいを立体的に楽しむことができます。

5. 心のリセットとしての入れ替え
季節の変化に合わせてアートを入れ替えることは、実は“心のメンテナンス”でもあります。
日々の生活の中で、知らず知らずのうちに積もっていく疲れや惰性。
そのリズムを整えるきっかけになるのです。

壁の景色が変わると、視点も変わる。
アートを入れ替えることは、自分自身を季節に合わせて整える行為でもあります。

まとめ
アートを飾ることは、特別なイベントではなく、暮らしの延長にある小さな習慣です。


季節ごとに入れ替えるという発想は、“家の中にも四季をつくる”という、とても日本的な楽しみ方。

決まりごとは何もありません。
あなたの感じる季節の色、香り、空気をそのまま映す一枚を選んでください。


アートが変わるたびに、暮らしの時間がゆっくりと更新されていく。

それは、季節を「見る」から「生きる」へと変える、ささやかなアートの魔法です。

注目の建築家

ARCHITECT’S BLOG

建築家ブログ最新記事:RSS

車椅子生活における「最適な…

ナイトウタカシ

2025.11.26
車椅子で暮らす家を設計する際、最も...

建築家:ナイトウタカシ

12/20(土)21(日)…

本井公浩

2025.11.25
2025/12/20(土)12/2...

建築家:本井公浩

【自宅サウナ】サウナにも種…

ナイトウタカシ

2025.11.25
自宅サウナを検討される方から、必ず...

建築家:ナイトウタカシ

季節ごとにアートを入れ替え…

ナイトウタカシ

2025.11.24
家の中の景色は、外の季節と同じよう...

建築家:ナイトウタカシ

設計段階でやっておくべき“…

ナイトウタカシ

2025.11.23
■ 設計は、図面を描く前から始まっ...

建築家:ナイトウタカシ

建築家ブログ記事一覧へ

ISSUE

how to use

建築家オウチーノの使い方

FAQ -よくある質問と答え-

専用フォームで24時間お問い合わせ受け付けます

一般の方、建築家の方、不動産会社の方専用フォーム

TRUSTe

このページの先頭へ