建築家・ナイトウタカシさんのブログ「二世帯住宅の固定資産税は高くなる?」
二世帯住宅の固定資産税は高くなる?
2025/12/13 更新
二世帯住宅を検討しているご家族から、よく聞かれる質問があります。
「普通の家より、固定資産税は高くなるんですか?」
広くなるし、設備も倍になることがあるし…と心配になるのも当然です。
結論を先に言えば、
固定資産税は“建て方次第”で高くも安くもなる。
ここを正しく理解することで、家づくりの選択肢が広がります。
1. 固定資産税は「床面積・仕様・建物評価」で決まる
固定資産税は次の3つの要素で構成されています。
1)床面積
2)建物のグレード(材料・断熱・耐久性など)
3)自治体が算定する評価額
二世帯住宅は一般的に延床面積が広くなるため、当然 “評価額が上がる=税額も増える” という仕組みです。
ただし、これだけでは結論が出ません。
二世帯住宅特有のポイントがあるからです。
2. 完全分離型は“玄関の数”で扱いが変わる
二世帯住宅でややこしいのは、完全分離型(上下分離・左右分離)の扱いです。
玄関が1つ → 一戸の住宅として評価
玄関が2つ → 「共同住宅(アパート扱い)」になる可能性がある
共同住宅扱いになると評価方法が変わり、
● 建物評価が上がるケース
● 逆に下がるケース
両方のパターンがあります。
実際には自治体の判断が絡むため、
「二世帯だから必ず高くなる」という単純な話ではありません。
3. 共有型(二世帯一体型)は戸建てと同じ扱い
玄関・キッチン・浴室をすべて共有する二世帯住宅(完全同居型)
または生活空間の一部のみ分ける部分共有型は、一般的な一戸建て住宅と同じ課税方式です。
延床面積が増える分は税額に反映されますが、間取りをどう分けても「共同住宅扱い」にはなりません。
そのため、
最も予測しやすく、税制上のリスクが少ないのが共有型。
4. 固定資産税は“建物評価”で変わる ― 高い家=税金も高い?
固定資産税の計算には建物のグレードも影響します。
高性能窓
高断熱材
外壁のグレード
耐震・耐火性能
住宅設備のグレード
これらが高いほど、評価額も上がりやすいのは事実です。
ただし、税金が少し上がっても、光熱費が下がる・維持費が減る といったメリットがあるため、「税金が安い=良い家」ではありません。
5. 新築時は“軽減措置”で大きく変わる
新築住宅には、固定資産税の大きな軽減措置があります。
一般的には、
建物部分の固定資産税が3年間1/2に軽減
長期優良住宅は5年間
これが二世帯住宅にも適用されるため、最初の数年は想像以上に税負担が軽くなる ことがあります。
完全分離型でも、同一敷地・同一所有であれば軽減の対象です。
6. 「高くなる?」ではなく「どう設計するか」で決まる
二世帯住宅の固定資産税は、
玄関の数
面積
建物の仕様
自治体の評価方法
によって変わります。
つまり、
“二世帯にしたから高くなる”のではなく、“どう建てるか”で変わる。
家族の暮らし方と税制をセットで考えることで、
無駄な負担を避けながら、最適な二世帯の形を選べます。
まとめ
二世帯住宅=固定資産税が高い、は誤解
完全分離型は玄関数で扱いが変わる
共有型は一般戸建てと同じ課税
建物仕様や自治体評価が税額に影響
新築は軽減措置が大きく、最初の数年は負担が軽い
税金の不安よりも、
“家族にとって最適な暮らし方は何か”
を軸に選ぶことが、後悔しない二世帯住宅への近道です。
二世帯住宅は、家族の距離を「近づける」だけでなく、
心地よい関係を「長く続ける」ための設計が大切です。
私たちは、10年以上二世帯住宅で暮らしてきた建築家として、
“実体験”に基づいたリアルな設計提案を行っています。
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