建築家・ナイトウタカシさんのブログ「リフォームで、夫婦関係が変わった話」
リフォームで、夫婦関係が変わった話
2025/12/21 更新
■ いつからか、家の中ですれ違っていた
「仲が悪いわけじゃないんです。
でも、会話は減っていました。」
50代のご夫婦から、こんな言葉をよく聞きます。
子育てが終わり、
夫婦二人の生活に戻ったはずなのに、
なぜか一緒にいる時間が噛み合わない。
リビングにいても、それぞれ別のことをしている
家の中で、無意識に距離を取っている
話しかけるタイミングがわからない
原因は、気持ちではなく、
“暮らしの舞台”が変わっていなかったことでした。
■ 子育て時代の間取りのままだった
このご夫婦の家は、築25年。
子ども中心に設計された間取りは、
当時はとても合理的でした。
でも今は、
子ども部屋は使われず
夫婦の居場所が定まらない
キッチンも洗面も、一人で使うには無駄に広い
「二人で暮らす家」になっていないことで、
自然と生活リズムも、気持ちも、ズレていたのです。
■ リフォームのきっかけは「会話の減少」
最初の相談内容は、
「水回りが古くなってきたから」でした。
でも話を重ねるうちに、
本当のきっかけは別にあることが見えてきます。
・家で一緒に過ごす時間が減った
・リビングが落ち着かない
・それぞれ自室にこもりがち
これは設備の問題ではなく、
空間が“今の関係性”に合っていないサインでした。
■ 家を変えたら、自然と会話が増えた
リフォームでは、
夫婦それぞれの「一人の時間」と、
二人で過ごす「共有の時間」を
無理なく両立できる間取りに整えました。
・キッチンからリビングが見渡せる配置
・並んで座れるダイニング
・リビングの一角に、気配を感じられる居場所
特別な仕掛けではありません。
でも暮らし始めると、
不思議な変化が起こりました。
「お茶飲む?」
「今日どうだった?」
そんな一言が、自然に生まれるようになったのです。
■ 家は、夫婦関係を“映す鏡”
リフォーム後、奥さまがこう話してくれました。
「家を直したというより、
これからの二人の関係を整えた感じがします。」
家は、ただ住む場所ではありません。
どこに座るか
どこを通るか
どこで顔を合わせるか
その積み重ねが、
夫婦の距離感を静かに形づくっています。
■ 夫婦関係を変えたのは、話し合いの時間
今回のリフォームで一番大きかったのは、
間取りよりも、対話の時間でした。
・お互い、何がストレスだったのか
・どんな時間を大切にしたいのか
・一人になりたい瞬間はいつか
こうした話を、
“家づくり”というテーマがあるからこそ、
素直に言葉にできたのです。
■ 50代のリフォームは、関係を整えるチャンス
若い頃は、忙しさで見過ごしていたことも、
50代になると、きちんと向き合えるようになります。
リフォームは、
壁や床を直すだけのものではありません。
これからの夫婦関係を、もう一度デザインする機会。
家が変わると、
暮らしが変わり、
関係も、少しずつやさしく変わっていきます。
家は「過去の記憶」を守る場所であり、 これからの「人生の舞台」にもなります。そろそろ、自分たちのための家に“暮らし替え”しませんか?
ナイトウタカシ建築設計事務所では、 50代・60代のご夫婦が安心して次の暮らしを描けるよう、 「建て替え or リノベーション」判断をサポートしています。
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