建築家・ナイトウタカシさんのブログ「【奏響の家】“家族の音”を守る設計を」
【奏響の家】“家族の音”を守る設計を
2025/12/25 更新
家づくりのご相談を受けていると、
「音をどう抑えるか」という話題が中心になりがちです。
けれど、実際の暮らしを丁寧に見つめていくと、
本当に守りたいのは“音を消すこと”ではないと感じる場面が多くあります。
それは、家族が日々の生活の中で自然に生み出す、
ささやかな“家族の音”です。
■ 1. 家には、消したくない音がある
キッチンで食器が触れ合う音。
廊下を歩く足音。
リビングから聞こえてくる会話や笑い声。
これらは、防音の観点だけで見ると
「遮りたい音」になるのかもしれません。
しかし、暮らしの中では
安心や気配を伝える大切な音でもあります。
音をすべて遮断してしまうと、
家は静かになりますが、
どこか気配のない、少し寂しい場所にもなってしまいます。
■ 2. 防音は「音を分ける」設計
防音という言葉から、
「完全に音を遮る」ことを想像される方も多いですが、
実際の住まいでは
音を消すのではなく、音を分ける
という考え方が重要になります。
・演奏の音は、必要な範囲でしっかり守る
・生活音は、家族にとって心地よく伝える
この“分け方”がうまくいくと、
家の中に無理な緊張感が生まれません。
■ 3. 家族の距離感は、音で決まる
家族の関係は、目に見える距離だけでなく、
音の距離感によっても形づくられています。
・声をかけなくても、気配がわかる
・音で「今、集中している」と察する
・静かな時間を自然に共有できる
こうした感覚は、
間取りや壁の厚み、扉の配置など、
建築的な工夫によって支えられています。
防音室を考えるときも、
「どれくらい音を遮るか」だけでなく、
どこまで音をつなぐかを一緒に考えることが大切です。
■ 4. 音楽の音も、家族の音のひとつ
楽器の音は、ときに大きく、ときに繊細です。
だからこそ、家族の生活音とぶつかりやすい。
しかし、視点を変えると、
演奏の音もまた
家族が生み出す“家族の音”のひとつです。
無理に遠ざけるのではなく、
適切な場所と時間を用意することで、
音楽は家の中で自然な居場所を持つようになります。
■ 5. 最後に
家づくりとは、静けさをつくることでも、
音を閉じ込めることでもありません。
家族の音が、心地よく共存できる環境を整えること。
演奏の音も、生活の音も、
どちらかを犠牲にするのではなく、
どちらも大切にできる設計。
そんな視点で住まいを考えていくと、
防音室は単なる機能空間ではなく、
家族の暮らしを守る装置へと変わっていきます。
“家族の音”を守ること。
それは、家族そのものを守ることなのかもしれません。
お子さまの音楽と家族の暮らし、まとめて考える家づくり。
防音室を“つくる”だけじゃない。
音楽のプロと建築のプロが一緒だからできる、新しい住まいの形。
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