建築家・ナイトウタカシさんのブログ「周りがどんどん進んで見えるときの焦り」
周りがどんどん進んで見えるときの焦り
2026/01/04 更新
家づくりを考え始めると、
不思議なことに、
「周りの人たちが、どんどん前へ進んでいるように見える」
そんな瞬間が、訪れることがあります。
友人が土地を買った。
同僚が契約した。
知人の家が完成した。
SNSを開けば、
「家づくり、順調に進んでます」
そんな言葉が並んでいる。
それを見たとき、
心のどこかで、
小さく、ざわっとする。
「自分たちは、まだ何も決められていない」
「もしかして、出遅れているのでは…?」
そう感じてしまうことは、
けっして珍しいことではありません。
むしろ、
家づくりに真剣な人ほど、
そう感じやすいのだと思います。
周りが進んで見えるとき、
その裏で起きているのは、
「比べなくてもいいことを、比べてしまう」という現象です。
家づくりは、本来、
それぞれの暮らしのペースで進むものなのに、
「誰かのスピード」
「誰かの決断」
それが基準になってしまう。
すると、
まだ考えている途中の自分たちが、
少しだけ、劣っているような気がしてしまうのです。
でも、
焦りは
「行動を早めるためのサイン」
ではありません。
それは、
「まだ納得できていないところがある」
という、
とても静かな、内側からの声です。
少し立ち止まって、
問いかけてみると、
見えてくることがあります。
—— 私たちは、本当に今、進みたいのか
—— それとも、まだ考えていたいのか
スピードは、
良し悪しではありません。
早く決める人が「えらい」わけでも、
慎重に進む人が「遅れている」わけでもない。
ただ、
それぞれに、
それぞれの「タイミング」があるだけです。
家づくりは、
競争ではありません。
ゴールも、
順位も、
誰かが決めるものではないのです。
もし今、
周りがどんどん進んで見えて、
少し苦しくなっているなら。
それは、
「無理に合わせなくていい」というサインかもしれません。
焦りを力に変えるよりも、
焦りをそっと置いて、
自分たちの歩幅を取り戻す。
そのほうが、
のちのち、
心地よく暮らせる家に近づいていく。
私は、そう感じています。
今はまだ、
「考えている途中」
であっても、いいのだと思います。
大切なのは、
進んでいるかどうか、ではなく。
「どんな気持ちで、進みたいと思えているか」
なのかもしれません。























