建築家・ナイトウタカシさんのブログ「「決められない自分」を責めなくていい」
「決められない自分」を責めなくていい
2026/01/08 更新
家づくりの相談に来られる方の中には、
「なかなか決断できなくて……」と
少し申し訳なさそうに話される方がいます。
土地のこと。
間取りのこと。
お金のこと。
どれも大事で、
どれも簡単には決められなくて。
「自分は優柔不断なんじゃないか」
「もっとスパッと決められたらいいのに」
そんなふうに、
自分を責めてしまう人は
少なくありません。
でも、私は思っています。
“決められない”という状態は
何かが間違っているサイン、ではないと。
それよりもむしろ、
—— まだ、心が追いついていないだけ。
—— まだ、自分の中で整理が終わっていないだけ。
—— まだ、大切にしたいことを
ちゃんと掴めていないだけ。
そんなことの方が多いのです。
家づくりは
「選ぶ作業」の連続ですが、
同時に、
「何を手放すか」
「何を諦めるか」
「どこに重心を置くか」
—— そういう選択でもあります。
それを、
短い時間で
迷いなく決められる人の方が、
もしかしたら
少ないのではないでしょうか。
悩むということは、
ちゃんと向き合っている、ということ。
考えるべきことを
考えようとしている、ということ。
未来の暮らしを
軽く扱っていない、ということ。
だから私は、
「決められなくて……」と
少し肩を落として話される方に対して、
否定的な感情を
抱いたことはありません。
むしろ、
—— ああ、この方は本気で考えているんだな
と、感じることが多いです。
もちろん、
ずっと迷い続ければいい
というわけではありません。
どこかで決めなくては進まない。
それも事実です。
でも、
「早く決めなければ」
という焦りから生まれた決断は、
後から
心に引っかかりとして残ることがあります。
時間をかけて考えた末に出た選択は、
たとえ完璧ではなくても、
—— “納得”という強さを持ちます。
だから、
いま迷っている方に
お伝えしたいのは、
「決められない自分」を
責めなくていい、ということ。
それはきっと、
弱さではなく
迷いではなく
“真剣さの裏側にあるもの”
なのだと思っています。
少し時間をおいてもいい。
もう一度
同じ場所から考え直してもいい。
その過程もまた、
家づくりの
大切な一部なのだと思います。
もし、
その迷いの途中で立ち止まったら。
誰かに話してみる、という選択も
悪くないかもしれません。
ひとりで抱え込まなくても
いいのですから。























