建築家・ナイトウタカシさんのブログ「要望がまとまってない状態で来てほしい理由」
要望がまとまってない状態で来てほしい理由
2026/01/11 更新
家づくりの相談に来られる方の中には、
「まだ要望が整理できていなくて…」
「ちゃんと考えられていないまま来てしまって…」
と、少し申し訳なさそうに話される方がいます。
むしろ私としては、
その状態で来てくださることを
とても歓迎しています。
多くの人は、
「要望はまとめてから相談に行くもの」
「理想のイメージを固めてからでないと失礼」
そんなふうに考えてしまうようです。
でも実際のところ、
要望というのは
一人で考えているうちに整理されるものではなく、
人と話しながら
少しずつ形になっていくものだと感じています。
言葉にしようとしても
しっくりこない。
思っていることはあるのに
うまく説明できない。
それは、
考えが浅いからでも
準備不足だからでもなく、
まだ「言葉に変換されていないだけ」
ということがほとんどです。
家づくりの要望というのは、
「〇畳の部屋がほしい」
「収納をたくさん」
といった
分かりやすい条件だけではありません。
・なぜそう思ったのか
・どんな経験が背景にあるのか
・何に安心を求めているのか
その奥にあるものこそ、
本当に大切な部分だったりします。
そしてそれは、
ひとりでノートに書き出すよりも、
対話の中で自然と浮かび上がってくることが多いんです。
話しているうちに、
「あ、そういえば…」
「本当はここが気になっていて…」
と、最初は出てこなかった言葉が
あとから出てくることもよくあります。
私はそれを
「要望が変わった」
とは捉えていません。
むしろ
「要望が“見える形になってきた”」
そう感じています。
だから、
完璧に整理された要望よりも、
まだ揺れている状態や
迷いながら話してくださるほうが、
その方の本音に
近づいていける気がしています。
もし今、
「まだ考えがまとまっていない」
「相談するには早い気がする」
そんなふうに思っているなら、
そのままの状態で
来ていただいて大丈夫です。
整理するのは、
お一人で頑張って行うことではなく、
一緒に時間をかけて
少しずつ行っていく作業なのだと思っています。























