建築家・ナイトウタカシさんのブログ「要望が変わるのは、悪いことではない」
要望が変わるのは、悪いことではない
2026/01/24 更新
家づくりの打合せをしていると、
最初に出ていた要望が
途中で少しずつ変わっていく。
そんなことが、よくあります。
「最初と言っていることが違ってきて、申し訳ないです」
そう言われる方もいますが、
それは
謝ることでも
戸惑うべきことでもありません。
むしろ、
変わっていくということは
「考え続けている」ということでもあって。
暮らしのことを
家族のことを
そして
これからの自分の生き方を
ちゃんと見つめている証拠なんだと思っています。
最初の段階で出てくる要望は、
これまでの住まいの経験や
世の中の情報や
なんとなくの理想像に
強く影響を受けています。
「こうしたい」と言葉になっているけれど、
まだ、
自分の中で
本当に大切なものと結びついていないことも
少なくありません。
打合せを重ねていく中で、
図面を見たり
空間を想像したり
暮らし方を具体的に思い描いたりするうちに、
少しずつ
その人自身の「本音」に
近づいていく。
その過程で、
最初の要望が
少し揺れたり
形を変えたりするのは
とても自然なことなんです。
変わるということは、
ぶれている
迷っている
というよりも、
「より自分に合ったところへ、近づいている」
そういうことの方が
多いように感じます。
だから、
要望が変わってしまった自分を
責めなくてよくて。
むしろ、
あの時はあの時で
そう思っていた自分がいて、
いまは
少し違う気持ちになった自分がいる。
その両方を
大切にしてほしいなと思います。
設計の仕事は、
最初に出てきた要望を
そのまま形にすることではなく、
一緒に迷って
一緒に考えて
その奥にある
「ほんとうに守りたいもの」を
少しずつ見つけていくこと。
そして、
変わっていく過程も含めて
その人の家づくりなんだと
思っています。
要望が変わったとき、
「これでいいのかな」と
不安になることもあるかもしれませんが、
その変化は、
きっと
あなたが
家づくりを真剣に考えているからこそ
生まれたもの。
だから、
どうか
悪いことだとは
思わないでください。
その変化の中にこそ、
暮らしの“芯”が
少しずつ
見えてくるのだと思います。























