建築家・ナイトウタカシさんのブログ「 「良い土地」に見えて少し引っかかる時」
「良い土地」に見えて少し引っかかる時
2026/02/04 更新
とても「良い土地」に見える。
価格も想定内で、
広さもあり、
日当たりも悪くない。
不動産会社さんからも
「人気が出そうですね」
と言われる。
それなのに、
現地に立つと、
なぜか心が静かにならない。
「悪くはないんですけど……」
そう言いながら、
言葉が続かなくなる。
そんな場面に、
何度も立ち会ってきました。
条件が整っているのに、
踏み切れない。
その感覚を、
無理に否定しなくてもいいと
私は思っています。
なぜなら、
その「引っかかり」は、
理屈では説明できなくても、
暮らしの視点では
とても正直な反応だからです。
たとえば、
道路から敷地に入ったときの
身体の向き。
隣家との距離が、
数字以上に近く感じる瞬間。
音が、
思っていたより
跳ね返ってくる感じ。
どれも、
図面や資料を見ているだけでは
気づきにくいことです。
「良い土地」という言葉は、
多くの場合、
条件が平均以上であることを
指しています。
でも、
暮らしにとっての「良さ」は、
平均では測れません。
むしろ、
少しだけ合わない部分が、
あとから
大きな違和感として
残ることもあります。
設計の打合せの中で、
「この土地、
ちょっと引っかかっていて」
と打ち明けてくださるとき、
私は、その言葉を
とても大切に受け取ります。
それは、
後ろ向きな迷いではなく、
「ちゃんと暮らしを想像している」
というサインだからです。
すぐに決められないときは、
その引っかかりを、
もう一度
丁寧に見つめてみてください。
理由がはっきりしなくても、
大丈夫です。
「良い土地」に見えて、
少し引っかかる。
その感覚は、
あなたが
その土地と
真剣に向き合っている
証拠なのだと思います。























