建築家・ナイトウタカシさんのブログ「周囲の家との“距離感”をどう読むか」

周囲の家との“距離感”をどう読むか

2026/02/05 更新

土地を見るとき、
どうしても
敷地そのものに目が向きがちです。



広さや形、
道路との関係。

 

でも実際には、
その土地だけで
暮らしが完結することはありません。

 

必ず、
周囲の家との関係が
生まれます。

 

隣の家との距離。
向かいの家との位置関係。


斜めに見える窓や、
背の高い建物。

 

それらは、
数字としては
図面に描かれています。

 

けれど、
「距離感」は
数字だけでは測れません。

 

たとえば、

2メートル離れていても
とても近く感じることもあれば、

1メートルしかなくても
不思議と気にならないこともあります。

 

その違いは、
視線の向きや、
建物の高さ、
窓の位置によって
生まれます。

 

現地に立ってみると、



「ここは、
 思ったより視線が合いそうだな」



「この方向は、
 意外と守られているな」



そんな感覚が、
身体で分かる瞬間があります。

 

周囲の家との距離感は、

近いか、
遠いか、
ではなく、

 

「意識せずに
 過ごせそうかどうか」

で考えた方が
しっくりくることが多いです。

 

ずっとカーテンを
閉めていなければ
落ち着かない距離感なのか。

 

それとも、
自然に窓を開けて
暮らせそうな距離感なのか。

 

設計では、
距離そのものを
変えられないことも多いですが、

距離の「感じ方」は、
整えることができます。

 

どこを閉じて、
どこを開くか。

 

視線を避けるのか、
あえて受け止めるのか。

 

その選択によって、
同じ土地でも
暮らしの質は
大きく変わります。

 

土地を見に行くときは、

周囲の家を
「敵」や「障害」として
見る必要はありません。

 

ただ、
どんな距離感で
付き合えそうか。

 

その感覚を、
静かに確かめてみてください。

 

それは、
暮らし始めてから
毎日、無意識に
感じ続けるものだからです。

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