建築家・ナイトウタカシさんのブログ「整っていない土地だから考えられる暮らし」
整っていない土地だから考えられる暮らし
2026/02/09 更新
整っていない土地を見ると、
最初に浮かぶのは
「難しそうだな」という感覚かもしれません。
形がいびつで、
高低差があったり、
周囲との関係も少し複雑だったり。
設計をする前から、
条件が揃っていないように見えると、
暮らしも窮屈になるのでは、
と感じてしまいます。
でも、
整っていない土地に向き合っていると、
別の考え方が
立ち上がってくることがあります。
「この土地に、
どんな暮らしを当てはめるか」
ではなく、
「この土地だから、
どんな暮らしが
自然に生まれそうか」
そんな問いです。
整った土地では、
ある程度
“想定された暮らし方”が
先に見えてしまうことがあります。
間取りの型も、
建物の置き方も、
どこか予測がつく。
一方で、
整っていない土地は、
すぐに答えを出させてくれません。
どこに居場所をつくるか。
どの方向に開くか。
どこをあえて閉じるか。
一つひとつ、
考え直す必要があります。
そのプロセスの中で、
「広さ」や「効率」よりも、
「居心地」や「落ち着き」が
優先されていくことがあります。
敷地の形に合わせて、
自然と
部屋の大きさが決まったり。
周囲との関係から、
外との距離感が
ちょうどよく整ったり。
整っていないからこそ、
暮らし方が
一方向に固定されず、
その家ならではの
リズムが生まれていきます。
設計とは、
整えることだけではなく、
その土地が持っている
癖や個性を、
どう受け止めるかでもあります。
整っていない土地は、
決して不利な条件ではなく、
「考える余白」が
最初から用意されている
場所なのかもしれません。
その余白に、
どんな暮らしが
静かに収まっていくのか。
整っていない土地だからこそ、
見えてくる答えが
確かにあるように感じています。























