建築家・ナイトウタカシさんのブログ「開く場所と、閉じる場所を選ぶという考え方」
開く場所と、閉じる場所を選ぶという考え方
2026/02/12 更新
家づくりの話をしていると、
「できるだけ開放的にしたいです」
「明るくて、抜けのある家がいいですね」
そんな言葉を聞くことがあります。
たしかに、
開いている空間は
気持ちがいいものです。
光が入り、
風が通り、
外とのつながりを
感じられる。
でも、
すべてを開けば
心地よくなるかというと、
必ずしもそうではありません。
設計をしていると、
強く意識することがあります。
それは、
「どこを開くか」と同じくらい、
「どこを閉じるか」を
選ぶことの大切さです。
開く場所と、
閉じる場所。
この二つは、
対立するものではなく、
互いに支え合っています。
すべてが開いていると、
視線も、音も、
気配も、
常に入り続けます。
最初は心地よくても、
次第に
落ち着かなくなることがあります。
反対に、
すべてを閉じてしまうと、
光も風も届かず、
息苦しい空間になってしまいます。
だからこそ、
選ぶ必要があります。
朝の光を迎えたい場所。
外とのつながりを
感じたい場所。
一人で静かに
過ごしたい場所。
それぞれに、
ふさわしい
開き方と閉じ方があります。
設計では、
窓の大きさや位置だけでなく、
視線の高さ、
抜けの方向、
外との距離感を
丁寧に整えていきます。
少しだけ開く。
必要な分だけ閉じる。
その微妙な調整が、
空間の落ち着きを
つくっていきます。
開いている場所があるから、
閉じた場所が
より安心できる。
閉じた場所があるから、
開いた場所が
より心地よく感じられる。
家は、
常に開いている必要はありません。
同時に、
閉じこもる場所でもありません。
どこを開き、
どこを閉じるのか。
その選択は、
デザインのためだけではなく、
暮らし方そのものを
形づくる判断だと
感じています。
自分たちは、
どんな時間を
どんな場所で
過ごしたいのか。
その問いから始めると、
開く場所と、
閉じる場所は、
自然と見えてくる気がします。























