建築家・ナイトウタカシさんのブログ「安心したはずなのに、迷いが戻ってくるとき」
安心したはずなのに、迷いが戻ってくるとき
2026/03/02 更新
土地も決まり、
方向性も見えた。
ひとつ山を越えたような、
そんな安心感があったはずなのに。
数日経つと、
また心が揺れ始めることがあります。
本当にこれで良かったのか。
あの選択肢は、
早く手放しすぎたのではないか。
あのときの直感は、
思い込みではなかったか。
一度は静まったはずの迷いが、
形を変えて戻ってくる。
それは、
珍しいことではありません。
安心とは、
永遠に続く感情ではないからです。
決断した直後は、
張りつめていた糸が
少し緩みます。
けれど、
日常に戻ると、
静かだった思考が
また動き出す。
人は、
大きな決断ほど、
何度も
心の中で
確認し直します。
迷いが戻るのは、
判断が間違っている証ではなく、
その選択を
自分の中に
なじませようとしている過程かもしれません。
決めたことを、
心がゆっくり受け入れていく時間。
それは、
一瞬では終わらない。
特に、
家づくりのように
長い時間を伴う選択は、
頭で決めても、
感情が追いつくまでに
少し差があります。
そのズレが、
「また迷っている」という
感覚になることがあります。
だからといって、
毎回、
白紙に戻す必要はありません。
大切なのは、
迷いの正体を
少しだけ見つめること。
不安なのか。
惜しさなのか。
責任の重さなのか。
それとも、
ただ
大きな変化に
戸惑っているだけなのか。
迷いには、
いくつかの種類があります。
その中には、
消そうとしなくていいものもある。
選択と共に
揺れながら進むことは、
決して弱さではありません。
むしろ、
真剣だからこそ
揺れる。
安心と迷いは、
対立するものではなく、
同じ場所に
同時に存在することもあります。
「それでも、ここでいく」
そう静かに思い直せるなら、
迷いはもう
敵ではありません。
安心したはずなのに、
また揺れる。
その繰り返しの中で、
決断は少しずつ
自分のものになっていきます。
揺れながらでも、
前に進めているなら、
それで十分なのだと
感じています。























