建築家・ナイトウタカシさんのブログ「寝室に飾るなら、どんなアートが心地よい?」
寝室に飾るなら、どんなアートが心地よい?
2025/10/06 更新
寝室は、一日の疲れを癒し、翌日への活力を育む場所。
そこで大切なのは「リラックスできること」と「自分らしく整えられること」です。
リビングや玄関に比べ、来客の目に触れることが少ない寝室は、もっとも“自分たちのため”の空間。
だからこそ、飾るアートも“見せるため”ではなく“心地よく過ごすため”に選ぶのが正解です。
1. 落ち着きのある色を選ぶ
寝室に適したアートの第一条件は、色合いです。
鮮やかすぎる赤やオレンジはエネルギーを高めますが、安眠には不向きな場合もあります。
おすすめは――
柔らかなブルーやグリーン(心を落ち着ける色)
ベージュやグレーなどのニュートラルカラー(安心感を与える色)
パステル調のやさしい色合い
視覚から受ける刺激を和らげることで、深い眠りに誘ってくれます。
2. 抽象画や自然モチーフが相性◎
寝室のアートは、具体的すぎない方がリラックスしやすいと言われます。
海や空をイメージした抽象画や、植物の柔らかな線を描いた作品などが好相性。
抽象画 → 見る人の気持ちに応じて意味を変える
自然モチーフ → 安心感や癒しを与える
写真 → 穏やかな風景や雲、森などが効果的
見るたびに心を解きほぐすような作品を選ぶと、寝室が「休息の場」らしく整います。
3. ベッドから見える場所に
せっかく飾るなら、横になったときに自然と視線に入る場所がおすすめです。
ベッドの正面の壁や、横のサイドテーブル上の壁など。
起きるとき、眠りにつくときに目に入るアートは、一日の始まりと終わりを心地よく整えてくれます。
4. 照明との組み合わせで“静けさ”を演出
寝室はリビングよりも照度を落とした照明が多い空間です。
そこにアートを飾るなら、やわらかな間接照明とセットで考えると効果的。
淡い光に照らされたアートは、強い主張ではなく“静けさ”を感じさせます。
作品を浮かび上がらせるのではなく、光と影の中で溶け込ませるように演出すると、より寝室らしい落ち着きが生まれます。
5. 個人的な思い出も大切に
寝室は最もプライベートな空間です。
だからこそ、家族写真や旅先でのスナップなど、自分たちだけの記憶をアートに仕立てて飾るのも素敵です。
額装やプリントを工夫すれば、日常の写真も十分に“作品”として寝室に馴染みます。
他の人に見せる必要がないからこそ、自分たちにとって一番心地よいものを選べます。
まとめ
寝室に飾るアートは、リビングや玄関のように「人にどう見えるか」ではなく、自分たちの心がどう感じるかを基準に選ぶのが正解です。
落ち着いた色合い、自然や抽象のモチーフ、やさしい光。
そこに個人的な思い出を添えれば、寝室は“休む場所”を超えて“心が満たされる場所”へと変わります。
眠りにつく前、目にする最後の景色が心地よいアートであること。
それが、毎日の暮らしに深い安心感と豊かさをもたらしてくれるのです。