建築家・ナイトウタカシさんのブログ「迷いが生まれるのは、真剣だから」
迷いが生まれるのは、真剣だから
2026/04/20 更新
家づくりの途中で、
ふと立ち止まることがあります。
決めたはずなのに、
もう一度考えたくなる。
これでいいのか、
どこかに引っかかりが残る。
そんな迷いが、
顔を出す瞬間です。
迷ってしまう自分に、
少し戸惑うこともあります。
優柔不断なのではないか。
決断できていないのではないか。
そう感じてしまうこともある。
けれど、
迷いが生まれること自体は、
悪いことではありません。
むしろ、
とても自然なことです。
もし、
何も迷わずに進んでいるとしたら、
どこかで
見過ごしていることが
あるかもしれません。
迷いは、
選択の重さを感じている証でもあります。
この家で、
これから長く暮らしていく。
その現実に、
少しずつ触れている。
だからこそ、
簡単には決められない。
真剣に考えているからこそ、
揺れる。
迷いの中には、
まだ言葉になっていない
感覚が含まれています。
もう少し考えたい。
どこかに違和感がある。
その気配を、
そのままにしておかないこと。
急いで結論を出さなくてもいい。
一度立ち止まり、
少し距離をとってみる。
何に迷っているのか。
どこに引っかかっているのか。
それを
ゆっくり見つめていく。
すると、
迷いは少しずつ、
自分たちの考えを
深める時間へと変わっていきます。
設計は、
迷いをなくすことではなく、
迷いを通して
納得に近づいていくプロセスです。
迷いがあるということは、
まだ考える余地が残っている
ということでもあります。
その余地を、
大切に扱う。
そこから、
本当に自分たちらしい選択が
見えてくることがあります。
迷いは、
遠回りのように見えて、
実は、
納得へと続く道の一部。
真剣に向き合っているからこそ、
生まれてくるものです。
その揺れを否定せず、
ひとつの手がかりとして
受け止めていく。
それが、
家づくりを
より深いものへと導いていくのだと
感じています。























