建築家・ナイトウタカシさんのブログ「最初に感じたことは、正しかったのか」
最初に感じたことは、正しかったのか
2026/06/04 更新
はじめて完成した家に入ったとき、
こんな感覚になることがあります。
「なんとなく、いい気がする」
あるいは逆に、
「少し違うかもしれない」
その瞬間に感じた印象が、
ずっと頭に残ることがあります。
そして、
住み始めてからふと、
「あの時感じたことは、
正しかったんだろうか」
そんなふうに考えることがある。
この感覚も、
とても自然なものです。
最初に感じる印象には、
空間の広さや、
明るさ、
素材の雰囲気など、
見た瞬間の感覚が大きく影響しています。
まだ暮らしが重なっていない状態だからこそ、
空間そのものの印象を
強く受け取る時期です。
けれど、
実際の暮らしは、
その第一印象だけでは決まりません。
時間を過ごし、
日常が重なっていくことで、
見え方は少しずつ変わっていきます。
最初は違和感があった場所が、
落ち着く場所になったり、
逆に、
最初は気にならなかったことが、
あとから見えてくることもある。
だから、
最初に感じたことが
間違っていたというより、
その時点では
まだ見えていなかった部分があった、
というほうが近いのかもしれません。
人の感覚は、
暮らしとともに変わっていきます。
空間への印象も、
時間の中で更新されていく。
その変化は、
悪いことではありません。
むしろ、
実際に暮らしてみたからこそ、
分かることが増えている状態です。
最初の印象は、
大切な手がかりのひとつです。
けれど、
それだけですべてを決めなくてもいい。
住みながら感じ方が変わっていくことも、
住まいと関係をつくっていく
自然な流れなのだと思っています。























