建築家・ナイトウタカシさんのブログ「図面より、暮らしを想像しています。」
図面より、暮らしを想像しています。
2026/07/12 更新
図面を見ている時間より、
暮らしを想像している時間の方が長いかもしれません。
少し意外に思われることがあります。
建築家は、
一日中図面を描いていると思われがちです。
もちろん、
図面を描く時間も大切です。
でも、その前に、
私の頭の中では、
ご家族の暮らしが動き始めています。
---
朝、誰が一番早く起きるのだろう。
休日の朝は、
リビングに自然と集まるご家族だろうか。
お子さんは、
宿題をダイニングでするのだろうか。
夜、ご主人が帰宅したとき、
家の中にはどんな灯りがついているのだろう。
図面には描かれていない時間を、
私はよく想像しています。
---
以前、ご相談いただいたご夫婦が、
「この窓は、どうしてここなんですか。」
と質問してくださいました。
景色が特別いい場所ではありません。
風が一番通る場所でもありません。
でも私は、
その窓の前に立つ奥様の姿を想像していました。
朝、
コーヒーを飲みながら庭を見る時間。
季節が変わるたびに、
少しずつ景色が変わっていくこと。
そんな何気ない時間が、
毎日の楽しみになるかもしれないと思ったのです。
---
図面には、
寸法があります。
壁があります。
窓があります。
でも、
暮らしそのものは描かれていません。
笑い声も、
食事の時間も、
季節の空気も、
図面には表れません。
だから私は、
図面を描きながら、
いつもその先を想像しています。
---
家づくりは、
図面を完成させることではありません。
その家で過ごす、
何気ない毎日をつくることだと思っています。
だから私は、
線を引く前に、
そのご家族が暮らしている姿を思い浮かべます。
図面は、
その想像を形にした結果です。
私は今日も、
図面より先に、























