最もポピュラーな「地盤調査」の方法は?
近年、地震による液状化などの地盤被害が多発し、地盤調査の重要性は高まっています。地盤調査には簡易なものから高精度なものまでいくつかの種類がありますが、調査時間やコストは調査方法によって大きく異なりますので、地盤状況に合った調査方法を選べるよう、ここで予備知識を身につけておきましょう。
地盤調査の代表格「SS試験」
現在、最も広く普及している地盤調査が「スウェーデン式サウンディング試験(SS試験)」と呼ばれる調査方法です。SS試験は、地中にロッド(鉄製の棒)を挿入してその上に重りを載せ、どの重さでどの程度重りが沈むかによって地盤の強さを見極めるという試験です。このSS試験は簡単で費用も安く済む(2〜4万円)ため、現在、ほとんどの住宅向け敷地ではこの調査方法が用いられています。
ただし、SS試験では土を採取しないため土質の判断ができないほか、調査可能な深さは地中約10メートル程度までと短いのが難点です。そのほか、地中にガラなどが埋まっていた場合、それを硬い地盤と間違えてしまうなどの弱点もあります。住宅規模の地盤調査には最適な方法ですが、万能ではないことは覚えておきましょう。
また、日本の各地ではこれまでさまざまな場所でSS試験が実施されているため、過去の地盤データが大量に蓄積されています。地盤調査会社はこうしたデータを保持しているので、これを活用するのもよいでしょう。
より詳細な調査には「ボーリング試験」を!
SS試験よりも詳細な調査方法として、標準貫入試験(ボーリング試験)があります。標準貫入試験は、一定の重さのハンマーでロッドを地中に打ち込み、30cm打ち込む際に必要とされた打撃回数をもとに地盤の強度を測定します。また、ロッドの先端にはサンプラーと呼ばれる部品を取り付けて土を実際に採取しますので、SS試験とは異なり、土質の判別ができるうえ、より深い地点までの調査が可能になります。
ただし、工事は大がかりなものになるので、作業スペース(20平米程度)が必要になるほか、費用も10〜20万円程度と高額になる点には注意が必要です。
このように、地盤調査にはその調査方法ごとに特徴があります。すべての地盤を高精度な方法で調べるのは、健康診断もせずに精密検査を実施するようなもので、非効率的です。高精度な調査は問題のある地盤だけで実施するようにしましょう。
※上記の費用はあくまでも目安です。実際に必要な費用については各業者にお問い合わせください。
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