地盤調査で探る!液状化の危険度
地盤調査の目的は、軟弱な地盤の有無を見極めて建物の沈下を避けることにあります。ここで注意したいのが、軟弱な地盤と液状化しやすい地盤の条件は異なるという点です。地盤調査の種類によっては液状化の危険度を見極められないケースもあります。
液状化しやすい地盤の条件とは?
液状化が発生しやすい地盤にはいくつかの条件があると言われています。代表的な条件は、「地下水位が地下5mよりも浅い」「土質が砂である」「土の粒子が揃っている」といったものです。
では、これらの条件は、地盤調査を行うことで確認できるのでしょうか。まずは現在主流となっている「スウェーデン式サウンディング試験(SS試験)」でのケースを考えてみます。SS試験は簡単に行えるうえ安価なので、ほとんどの住宅用敷地で利用されています。しかしSS試験は、ロッドと呼ばれる鉄製の棒に重りを載せて地中に挿入し、どのくらいの重さでどこまで沈むかによって地盤の強度を測る方法であり、実際の土のサンプルを採取しません。そのため、前述の3つの条件を確認するのは困難であり、SS試験のみで液状化の危険度を判定するのは危険です。
SS試験の結果だけを見て液状化の危険性を語り、地盤改良などの工事を勧めてくる業者には注意しなければなりません。
標準貫入試験は液状化調査に最適!
一方、「標準貫入試験(ボーリング試験)」と呼ばれる地盤調査は、液状化の危険度を探るには最適の方法と言えるでしょう。標準貫入試験はSS試験とは異なり、サンプラーと呼ばれる部品を地中に挿入して調査を行い、土のサンプルを採取して土質をチェックします。そのため、前項で述べた3つの条件をすべて確認できるので、液状化しやすい地盤かどうかを判断することができるのです。ただし標準貫入試験はSS試験に比べ大がかりな工事となるため、大きな作業スペースが必要になるほか、コストがかかりますので注意が必要です。
もう1つ、土質の判別が可能な地盤調査方法があります。それが「3成分コーン貫入試験」と呼ばれる調査方法です。電気式のコーンと呼ばれる機械を地中に挿入して測定するこの調査方法は、必要な作業スペースも標準貫入試験より小さくて済み、コストも若干安くなっていますので検討してみるのもよいでしょう。ただし、データの解析に習熟を要するほか、精密機器のため扱いが難しいというデメリットもあります。
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