建築家・ナイトウタカシさんのブログ「外壁って何がいいの?⑳(木の外壁4)」

外壁って何がいいの?⑳(木の外壁4)

2023/10/27 更新

昨日は、木であること=燃えるという印象を
ひっくり返すよう、燃えにくくする薬剤を注入した
木の外壁があるというお話ししました。

そのおかげで、法的な意味で、採用が難しかった
街中の家に木の外壁を実現できるようになりました。

それと。
木といってもいろんな樹種があって、
国産杉より、レッドシダーの方が寸法が安定していて、
長持ちするとお伝えしました。

今日は、その話にも関係しますが。。
長持ちしにくい国産杉を使った、別の外壁について
お話ししていこうと思います。

古民家なんかでも見かけるかもしれませんが。
黒い木の外壁ってイメージありませんか?

手で触ると、手が黒くなったり。。



それって、もちろん。
火事になった後というわけではありません(笑)

意図的に、焦げたような感じにしているんですよね。

それ。
「焼き杉」といって、名前の通り、杉を焼いて、
焦がして、外壁材に使っています。

なぜ焼いてるの??
そう思いますよね。

触ると黒くなるし、見た目が火事の後みたいだし。

実は。
この「焦がし」に、すごく意味があるんですよね。

木を燃えたとすると、じわじわと炭になりますよね。
そう。焦げた感じです。

それって、表面に炭化した層ができているんです。

その炭化した層があると、その奥に火が回りにくくなるんです。
つまり、炭化した層が、防火性能を高めてくれるんです。

しかも。
炭化した層って頑丈で、劣化がしにくくなるんです。
腐食なんかにも強くなりますから。

なので。
炭化した層が保持できれば、メンテナンスって
よほど必要がなかったりします。



ただ。炭化層も、全く劣化しないわけではないので、
はがれてしまって、下の杉部分が見えてしまうこともあります。

その場合は、再度、焼くわけにもいかないので(笑)
小さい範囲でしたら、黒い塗装してもいいですし、
大きい範囲なら、張替えしてもよいですよね。

そうそう。
この焼き杉って、見た目がかなりインパクトあります。
色というより、表面の見え方でしょうか。

この見え方に、古さを感じたりするとか、
和モダンなデザインにフィットしますが、
モダンなデザインが好き!ということであれば、
もしかすると候補からは外した方がよいかもしれませんね。

それと、最後に。
表面の炭化層を作る方法として、
バーナーを使う方法と、実際に燃やす方法があります。

バーナーの方が、炭化層が薄くなりますので
表面の焦げが好きでなければバーナーで。

長持ちしてほしいとか、その表情が好きなのであれば、
しっかり炭化層を確保する方がよいかなと思います。

ここ最近、特定の範囲で人気の外壁ではあるので、
いろいろ参考で画像探してみてください。

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