建築家・ナイトウタカシさんのブログ「使いやすさと居心地の違い」
使いやすさと居心地の違い
2026/06/13 更新
打ち合わせの中で、
間取りを見ながら、
「使いやすそうですね」
そんな言葉をいただくことがあります。
動線が整理されている。
収納の位置も分かりやすい。
無理なく動ける配置になっている。
使いやすさは、
住まいを考える上で
とても大切な要素です。
毎日の動きに無理がないこと。
必要なものに、
自然に手が届くこと。
それによって、
暮らしはずいぶん楽になります。
けれど、
「使いやすい」と感じることと、
「居心地がいい」と感じることは、
少し違います。
使いやすさは、
動きや機能に関係しています。
一方で、
居心地は、
そこでどう感じるかに近い。
落ち着く。
力が抜ける。
なんとなく、そこにいたくなる。
そうした感覚は、
機能だけでは生まれません。
たとえば、
とても効率的な空間でも、
どこか緊張感が残ることがあります。
逆に、
少し遠回りでも、
光の入り方や空気感によって、
心地よく感じる場所もある。
その違いは、
数字では測りにくい部分です。
設計では、
使いやすさを整えながら、
同時に、
居心地についても考えています。
どこで視線が抜けるか。
どこで気持ちが落ち着くか。
どんな距離感なら、
無理なく過ごせるか。
そうした感覚の積み重ねが、
居心地につながっていきます。
住まいは、
ただ便利に使う場所ではなく、
毎日を過ごしていく場所です。
だからこそ、
使いやすさだけでなく、
「そこにいたくなるかどうか」も、
大切にしたいと思っています。
使いやすさと居心地は、
似ているようで少し違う。
その違いを意識することで、
住まいの見え方も、
少し変わってくるのかもしれません。























