建築家・ナイトウタカシさんのブログ「感覚で判断することの意味」
感覚で判断することの意味
2026/06/17 更新
打ち合わせを重ねていると、
こんな言葉を聞くことがあります。
「理由はうまく説明できないんですが、
なんとなく、こっちのほうが好きで…」
家づくりでは、
どうしても“正しい判断”を探したくなります。
性能。
効率。
使いやすさ。
比較できる要素が多いからこそ、
できるだけ失敗しない選択をしたくなる。
もちろん、
それはとても自然なことです。
けれど、
最後の決め手になるのは、
理屈だけではないことがあります。
なんとなく落ち着く。
こっちのほうが好き。
理由は説明しにくいけれど、
しっくりくる。
そうした感覚が、
長く暮らす中では
とても大切になることがあります。
住まいは、
毎日を過ごす場所です。
頭で理解しているだけではなく、
体や気持ちが、
自然に馴染むかどうか。
その感覚が、
暮らしやすさにつながっていきます。
もちろん、
感覚だけで決めればいい、
ということではありません。
性能や機能を整えることも、
大切な土台になります。
けれど、
条件がある程度整ったあと、
最後に残るのは、
「どう感じるか」という部分です。
そこを無視してしまうと、
どこか違和感を抱えたまま
暮らしていくことになる場合があります。
感覚というのは、
曖昧なものに見えるかもしれません。
けれど、
これまでの経験や、
暮らし方、
大切にしたい時間の積み重ねが、
無意識の中に残っていることもあります。
だからこそ、
説明しきれない感覚にも、
意味があるのだと思っています。
感覚で判断することは、
理屈を捨てることではなく、
自分たちの暮らしに合うものを、
丁寧に拾い上げていくことなのかもしれません。























