建築家・ナイトウタカシさんのブログ「設計が変わる瞬間があります。」
設計が変わる瞬間があります。
2026/07/14 更新
設計をしていると、
図面が大きく変わる瞬間があります。
「もっと広くしたい。」
「収納を増やしたい。」
そんなご要望があったからではありません。
図面を描き直す理由は、
意外と別のところにあります。
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打ち合わせの中で、
何気ない一言を聞いたときです。
「休日は、家族みんなで庭に出ることが多いんです。」
「娘がピアノを弾き始めたんです。」
「実は、朝のコーヒーの時間が一番好きなんです。」
そんな一言です。
その瞬間、
頭の中で描いていた家が、
少しずつ違う形に見えてくることがあります。
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以前、ご相談いただいたご夫婦は、
リビングをできるだけ広くしたいと希望されていました。
もちろん、
その方向で設計を進めていました。
ところが打ち合わせの終わり際、
奥様が何気なく、
「私は、夕方に庭へ水やりをする時間が好きなんです。」
と話してくださいました。
その一言で、
私の中の設計が変わりました。
リビングを少し広げることよりも、
庭とのつながりをもっと自然に感じられる家の方が、
そのご家族らしいのではないか。
そんな考えが浮かんできたのです。
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設計は、
図面だけを見ていても進みます。
でも、
そのご家族のお話を聞いていると、
図面だけでは見えなかった景色が見えてくることがあります。
すると、
窓の位置が変わることがあります。
椅子を置く場所が変わることがあります。
部屋のつながり方が変わることもあります。
それは、
図面を描き直しているのではありません。
暮らしに合わせて、
設計を育てているような感覚です。
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だから私は、
設計は一度描いたら終わりとは思っていません。
ご家族のことを知るたびに、
図面も少しずつ変わっていきます。
その変化は、
迷いではなく、
そのご家族らしい家へ近づいている証拠なのだと思っています。
設計が変わる瞬間。
それは、
ご家族の何気ない一言に出会えた瞬間なのかもしれません。























