建築家・ナイトウタカシさんのブログ「「吹き抜けって、寒いんですよね?」」
「吹き抜けって、寒いんですよね?」
2026/08/08 更新
「吹き抜けって、寒いんですよね?」
これも、ご相談の中でよくいただくご質問です。
「冬は暖房が効かないと聞いたので。」
「光は入れたいけれど、寒いのは困ります。」
そんなお話を伺うことも少なくありません。
確かに、そう思われる理由はあるのだと思います。
でも私は、このご質問にも、すぐには「寒くないですよ。」とも、「寒いですよ。」とも、お答えしないことが多いんです。
「吹き抜けの、どんなところに魅力を感じられていますか?」
そんなふうに、お聞きすることから始めています。
すると、ご家族によって理由は本当にさまざまです。
「明るいリビングに憧れているんです。」
「開放感があって気持ちよさそうなので。」
「家族の気配を感じられるかなと思って。」
「SNSで見て素敵だなと思いました。」
同じ「吹き抜けが欲しい」という言葉でも、
その理由は、一つではないように思います。
以前、ご相談いただいたご夫婦も、
「吹き抜けには憧れるけれど、寒いですよね。」
と少し迷われていました。
そこで、
「吹き抜けが欲しいと思われたのは、どんな暮らしを想像されたからでしょう。」
と、お聞きしてみました。
すると奥様が、
「朝、カーテンを開けたときに、光がたくさん入る家って気持ちよさそうだなと思って。」
と話してくださいました。
その一言を聞いて、
もしかすると求められているのは、
吹き抜けそのものではなく、
明るく心地よい朝なのかもしれない、と思いました。
そう考えると、
吹き抜け以外にも方法があるかもしれません。
窓の位置を工夫すること。
高窓を設けること。
庭とのつながりを考えること。
そんな設計でも、その願いを叶えられる可能性はあります。
もちろん、
吹き抜けだからこそ生まれる心地よさもあります。
縦に広がる空間。
季節によって変わる光。
家族の気配がゆるやかにつながる感覚。
それは、吹き抜けならではの魅力かもしれません。
一方で、
快適に暮らすためには、
断熱性能や窓の性能、空調の計画も、とても大切になってきます。
吹き抜けだけを切り取って、
「寒い」「寒くない」と言い切ることは、少し難しいように思うのです。
ですから、
「吹き抜けって、寒いんですよね?」
と聞かれても、
私は、まず別のことをお聞きするようにしています。
吹き抜けが欲しい理由は、何でしょう。
明るさなのかもしれません。
開放感なのかもしれません。
家族とのつながりなのかもしれません。
その理由が見えてくると、
吹き抜けが一番いい場合もありますし、
別の方法の方が、そのご家族に合っていることもあります。
家づくりでは、
「吹き抜けをつくるかどうか」よりも、
「どんな暮らしを望まれているのか」。
私は、そこから一緒に考えていけたらと思っています。























