通路以上の空間を目指す。
階段と廊下のひと工夫
廊下や階段は、部屋と部屋、上階と下階をつなぐ通路です。そのため人が長く過ごす場所ではなく、広さやインテリア、採光に恵まれていないケースが多いのも事実です。しかし、こうした空間にこそ工夫を凝らすことで、暮らしの豊かさは大きく向上します。ここでは、そのためのテクニックを紹介しましょう。
ワンランク上の階段・廊下づくり
●移動空間・ゆとり空間
階段や廊下は暗く狭い雰囲気になりがちです。階段であれば壁面にタペストリーや絵を飾る、廊下や階段下であれば壁にへこみを設けて花瓶を置いたりするといった工夫をするとよいでしょう。
●安全・快適性のポイント
家庭内での事故が多い階段や廊下では、段差をなくす、階段に手摺りをつけて緩勾配とする、足元照明を設ける、滑りにくい床材を選ぶなど、高齢者の安全性にも配慮したプランニングを心がけましょう。
●導線に配慮したプランニング
玄関や階段、廊下は、最も移動頻度の高い「動線」(人間が移動する軌跡を示す線)です。一般に動線は短ければ短いほど無駄がなく便利であるとされますが、極端に短い動線は避けましょう。
1.プランニングは「玄関」を起点に
各居室への移動がしやすいよう、階段や廊下のプランは玄関を起点にするのが一般的です。そうすることで、居室面積を広くとることができます。
2.コミユニティースペースとの関連性
各階のすべての居室から、家族が集まるリビング・ダイニングに楽に移動できるような動線を設定しましょう。
●通風効果とプラン
通風の確保は重要な課題です。玄関付近に階段を設けて空気が下から上へ抜けるようにするほか、吹き抜けにしたり、廊下に窓を大きめに付けるなどの工夫をしましょう。
●機能性と環境
階段や廊下における事故防止には、「階段を降りた正面にガラスの建具を置かない」「熱気や油煙が上るので階段は台所と離す」「個室のドアは内開きにする」といったことを心がけましょう。
安全・快適性のためのチェックポイント
●床材/素材
木質系(フローリングやコルク)や繊維系(カーペットなど)、大理石やタイルなどさまざまです。階段や廊下には衝撃を吸収するコルクが有効です。また階段にカーペットを張ると足音を抑えられます。
●仕上げ(滑り止め)
フローリングなら、ステイン仕上げだと滑らず安全です。階段なら、ノンスリップ(踏板の端に取り付ける刻み目付きの金具)の設置で滑り止めとするとよいでしょう。
●手摺り(てすり)
手摺りは、安全性の確保や昇降の補助以外にも、壁面に沿って昇降する階段の手摺りは壁を汚れから保護する役割も担います。なお、手摺りを設置する高さは一般的に80〜85cmが目安とされています。
●採光と照明
階段や廊下、玄関は、吹き抜けにしたり踊り場に窓を取り付けるなどして採光を確保するとよいでしょう。色調はダウンライトや間接照明で表情豊かに、階段には夜間用に足元照明を設置しましょう。
●廊下と居室の段差/車椅子への配慮
わずかな段差も、高齢者にとっては障害となります。根太を調整して和室を下げる、床下地材を調整して洋室を上げるなどの工夫が必要です。また車椅子通行のためには、通路幅を90cm程度確保し、段差をつくらないようにしましょう。
●勾配、蹴上げ、踏み面の寸法
建築基準法で定められた最低寸法は、「蹴上げ23cm以下、踏み面15cm以上」ですが、「蹴上げ15cm、踏み面27cm」を目安にしたいところです。
●階段のタイプ
上階と下階をつなぐ目的としての階段のほか、デザイン性を持たせた階段など、役割はさまざまです。代表的な階段のタイプは次の通りです。
1.直線階段
一方向で昇降する階段。踊り場がないため面積は少なくなります。
2.折り返し階段
階段の途中に踊り場を設け、180°向きを変えて昇降する安全性の高い階段です。
3.曲がり階段
階段の途中に踊り場を設け、90°向きを変えて昇降する階段です。
4.回り階段
中心に柱を立て、そこから出した片持ち式の梁で踏み板を支える階段です。
5.ささら桁階段
板を階段状に加工された「ささら桁」で踏み板を支える階段です。
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上記の記事は、2011年7月25日現在のものです。掲載情報の著作権は株式会社オウチーノ(以下:弊社)に帰属します。情報内容は保証されるものではありませんので、万一この情報に基づいて被ったいかなる損害についても、弊社および情報提供元は一切の責任を負いません。予めご了承ください。