建築家・相川直子+佐藤勤さんのブログ「季節の移ろいを愉しむ家」
季節の移ろいを愉しむ家
2025/07/23 更新
季節の移ろいを愉しむ家〜大船の家で大切にしたこと〜**
住まいが、
ただ雨風をしのぐだけの箱でなく、
自然とつながる場所だったら。
四季の移ろいを肌で感じる「大船の家」の魅力を紐解きます。
光と風を呼び込む設計
大船の家は、
窓から差し込む光や風の通り道を大切に設計しました。
太陽の光は刻々とその表情を変え、
朝のやわらかな光から、
午後の暖かな光、
夕暮れ時の優しい光まで、
時間とともに移り変わる光が室内に彩りを与えます。
窓を開ければ、
心地よい風が家中を通り抜け、
自然の息吹を感じることができます。
夏の暑い日も、
冷房に頼りすぎず、
風の力で涼を感じる。
そんな自然の力を最大限に活かす設計は、
住まう人の心と体を穏やかに満たしてくれます。
自然と一体となることで、
五感が研ぎ澄まされ、
日々の暮らしがより豊かになると思うのですが、いかがでしょうか。
自然素材が醸し出す心地よさ
床には無垢材を、
壁には漆喰を採用しています。
これらの自然素材は、
それぞれが持つ独特の表情や質感を持ち、
空間に温かみと深みを与えます。
無垢材の床は、
素足で歩くと木の温かみが伝わり、
心地よさを感じます。
傷がついても、それがまた味わいとなり、
家族の歴史を刻んでいきます。
樹種の違いも大切なポイントだと考えます。
漆喰の壁は、
塗り方によって表情が変わり、
光の当たり方で陰影が生まれます。
ビニールクロスでは決して味わえない、
自然素材ならではの経年変化は、
住まうほどに愛着が増し、
家にいながらにして自然の恵みを感じさせてくれます。
丁寧な手仕事が宿る場所
既製品では得られない「心地よさ」は、
大工や職人による丁寧な手仕事によって生まれます。
大船の家では、
造作のキッチンカウンターや収納棚、建具など、
細部に至るまで工務店の技が光ります。
使い勝手はもちろんのこと、
空間に美しく溶け込むように検討された一点ものの家具は、
日々の暮らしに寄り添い、
使うたびに愛着が湧きます。
施工チームが一つひとつ丁寧に作り上げた建具や家具には、
大量生産品にはないぬくもりと魂が宿っています。
この家を良いものにしたいという現場関係者の思いが重なります。
自然と調和し、
時間をかけて育まれる「大船の家」の魅力は、
丁寧な暮らしを求める人にとって理想的な住まいとなると
私たちは考えます。