建築家・ナイトウタカシさんのブログ一覧
2026/02/12 更新
家づくりの話をしていると、 「できるだけ開放的にしたいです」 「明るくて、抜けのある家がいいですね」 そんな言葉を聞くことがあります。 たしかに、 開いている空間は 気持ちがいいものです。 光が入り、 風が通り、 外とのつながりを 感じられる。 でも、 すべてを開けば 心地よくなるかというと、 必ずしもそうではありません。 設計をしていると、 強く意識することがあります。 それは、 「...
2026/02/11 更新
土地を見に行くと、 「ここからの景色、いいですね」 そんな言葉が 自然と出てくることがあります。 遠くまで抜ける視界。 高い場所から見下ろす風景。 空が広く感じられる場所。 眺望は、 土地の魅力の一つであることは 間違いありません。 ただ、 設計を進めていく中で、 ときどき考えさせられることがあります。 それは、 「この眺めを優先したことで、 何かを犠牲にしていないだろうか」 という...
2026/02/10 更新
土地を見るとき、 よく耳にする考え方があります。 「この土地に、 家をうまく合わせましょう」 もちろん、 土地の形や条件を無視して 家を考えることはできません。 高低差があれば、 それなりの工夫が必要ですし、 周囲の建物や道路との関係も、 設計に大きく影響します。 ただ、 設計を続けていると、 ときどき立ち止まる瞬間があります。 それは、 「合わせすぎていないだろうか」 と感じるときです。 ...
2026/02/09 更新
整っていない土地を見ると、 最初に浮かぶのは 「難しそうだな」という感覚かもしれません。 形がいびつで、 高低差があったり、 周囲との関係も少し複雑だったり。 設計をする前から、 条件が揃っていないように見えると、 暮らしも窮屈になるのでは、 と感じてしまいます。 でも、 整っていない土地に向き合っていると、 別の考え方が 立ち上がってくることがあります。 「この土地に、 どんな暮らしを当てはめる...
2026/02/08 更新
土地を探していると、 「形の良い土地」が 基準になりがちです。 四角くて、 無駄がなくて、 建物を置きやすそう。 たしかに、 設計のしやすさだけを考えれば、 整った形の土地は 安心感があります。 一方で、 旗竿地だったり、 三角形だったり、 どこか欠けていたり。 いわゆる 「形の悪い土地」は、 最初から候補から外されることも 少なくありません。 でも、 現地に立ってみると、 そうした土地...
2026/02/07 更新
土地探しをしていると、 自然と 条件を書き出すことになります。 広さは、これくらい。 価格は、この範囲。 日当たりは南向き。 駅からは徒歩〇分以内。 一つひとつは、 とてもまっとうな条件です。 そして多くの方が、 こう考えます。 「条件をたくさん満たしている土地ほど、 良い土地なのではないか」 でも実際には、 条件をいくつ足し算しても、 答えが見えてこないことがあります。 すべての...
2026/02/06 更新
土地を見ていると、 「ここなら、 工夫すれば何とかなりそうですね」 そんな言葉が 浮かんでくることがあります。 建物の配置をずらしたり、 間取りを少し工夫したり。 設計の力で 乗り越えられそうに見える課題も、 たしかにあります。 でも同時に、 心のどこかで 「少し、無理をしているかもしれない」 そんな感覚が 芽生えることもあります。 設計は、 可能性を広げる仕事です。 だからこそ、...
2026/02/05 更新
土地を見るとき、 どうしても 敷地そのものに目が向きがちです。 広さや形、 道路との関係。 でも実際には、 その土地だけで 暮らしが完結することはありません。 必ず、 周囲の家との関係が 生まれます。 隣の家との距離。 向かいの家との位置関係。 斜めに見える窓や、 背の高い建物。 それらは、 数字としては 図面に描かれています。 けれど、 「距離感」は 数字だけでは測れません。 ...
2026/02/04 更新
とても「良い土地」に見える。 価格も想定内で、 広さもあり、 日当たりも悪くない。 不動産会社さんからも 「人気が出そうですね」 と言われる。 それなのに、 現地に立つと、 なぜか心が静かにならない。 「悪くはないんですけど……」 そう言いながら、 言葉が続かなくなる。 そんな場面に、 何度も立ち会ってきました。 条件が整っているのに、 踏み切れない。 その感覚を、 無理に...
2026/02/03 更新
土地を見るとき、 多くの方は 一度か二度、現地に足を運びます。 その時間帯は、 たいてい昼間です。 明るくて、 見通しもよくて、 不動産会社さんとも予定が合わせやすい。 でも、 その土地が持っている表情は、 昼の顔だけではありません。 朝。 まだ空気が少し冷たく、 周囲の動きもゆっくりな時間。 光の入り方や、 影の落ち方で、 同じ場所でも まったく違った印象になります。 鳥の声が聞...
2026/02/02 更新
土地探しの相談をしていると、 「静かな場所がいいんです」 という言葉を、よく聞きます。 たしかに、 車の音が少なくて、 人の出入りも少ない。 それだけで、 少し安心できる気がしますよね。 でも、現地を一緒に見ていると、 「静かではあるけれど、 なぜか落ち着かない」 そんな土地に出会うことがあります。 音が少ないことと、 心が落ち着くことは、 必ずしも 同じではないようです。 たとえば、...
2026/02/01 更新
家づくりの相談を受けていると、 「明るい家にしたいんです」 「広く感じる家がいいです」 そんな言葉を、よく耳にします。 たしかに 明るさや広さは、とても大切です。 でも実は、 「数値」や「面積」よりも 暮らしの心地よさを左右しているものがあって、 それが “視線の抜け方” だと感じています。 部屋の広さは同じなのに、 ある家は、のびやかに感じて ある家は、どこか窮屈に感じる。 天井の...
2026/01/31 更新
家づくりを考えるとき、 「日当たりが良い土地がいいですよね」 そうおっしゃる方は、とても多いです。 たしかに 明るいリビング 大きな窓から差し込む光 それだけで 少し未来が明るく感じられるものですよね。 でも 現地を歩いていると、 「日当たりが良い」という条件だけでは 安心できないことも、少なくありません。 光が入っている ―― それは事実なのですが、 その光が 「どこから入っているのか」...
2026/01/30 更新
土地を見に行くとき、 私はいつも、すぐにメジャーを取り出したり、 建築条件をチェックしたりはしません。 もちろん 建築家として確認すべき数値や規制はたくさんありますが、 それよりも少しだけ先に、感じておきたいものがあります。 それが、 その場所に流れている「気配」のようなものです。 図面には、 敷地の形状や寸法、道路との位置関係、 周辺建物の配置がきれいに描かれています。 それはとても大切で、 設計...
2026/01/29 更新
不動産会社さんの資料には、たくさんの情報が並びます。 面積 価格 接道 用途地域 建ぺい率・容積率 方角 数字や条件が、きれいに整理されています。 それらは、たしかに大切です。 家づくりにおいて、無視できない条件でもあります。 ただ、 土地というのは、それだけでは決められないものだな…と いつも感じています。 初めてその土地に立ったとき、 数字では分からなかったことが、たくさん目に入ってきます。 ...
2026/01/28 更新
家づくりの打合せを重ねていく中で、 「ここは、やめておきましょうか」 そんな話になることがあります。 それは、 何かを我慢する、という意味ではなくて、 「いまの暮らし」 「これからの暮らし」 その両方を見つめ直した結果として、 そっと、手放す選択に 近いものだったりします。 要望というのは、 「こうしたい」 「こうだったらいいな」 という願いの集合体ですが、 そのすべてが、 同じ重さを持っているわけ...
2026/01/27 更新
家づくりの打合せの場で、 ときどき私が口にする言葉があります。 「——少し、待ちましょう。」 提案を否定したいわけでも、 判断を先延ばしにしたいわけでもありません。 ただ、 「もう一度、今の気持ちを確かめた方がいい」 そう感じたときにだけ、 静かにそうお伝えすることがあります。 あるタイミングで出てくる 「これ、やっぱり追加したいです」 「こういうのも、取り入れられますか?」 という言葉...
2026/01/26 更新
家づくりの相談を受けていると、 「せっかくの注文住宅だから」 「どうせなら、できるだけ全部入れたい」 そんな言葉を耳にすることがあります。 それは、とても自然な気持ちだと思います。 長い時間をかけて考えてきたことでしょうし、 雑誌やSNS、モデルハウスや友人の家を見て、 「いいな」と感じたものが 頭の中に、静かに積み重なっていく。 それは、悪いことではありません。 むしろ 家に向き合ってきた証...
2026/01/25 更新
家づくりの相談を受けていると、 最初の段階では たくさんの要望が出てくることが、よくあります。 「収納を増やしたい」 「広いリビングがいい」 「吹き抜けをつくりたい」 「家事動線は短くしたい」 一つ一つが その方の思いから出ている言葉ですから、 もちろん、どれも大切なものです。 でも、 打合せを重ねていく中で 少しずつ整理されていき、 自然と消えていく要望もあります。 「やっぱり、そ...
2026/01/24 更新
家づくりの打合せをしていると、 最初に出ていた要望が 途中で少しずつ変わっていく。 そんなことが、よくあります。 「最初と言っていることが違ってきて、申し訳ないです」 そう言われる方もいますが、 それは 謝ることでも 戸惑うべきことでもありません。 むしろ、 変わっていくということは 「考え続けている」ということでもあって。 暮らしのことを 家族のことを そして これからの自分の生き方を ...
























