建築家・相川直子+佐藤勤さんのブログ「共に悩み、答えを見つける幸せ。」
共に悩み、答えを見つける幸せ。
2026/04/23 更新
共に悩み、答えを見つける幸せ。駒込の家が教える、対話から始まる家づくり
家づくりは、自分自身の生き方を見つめ直す旅。私たち建築家は、その旅の伴走者でありたいと願っています。
□ 理想を「夢」で終わらせないための対話
私たちの事務所には、ハウスメーカーや工務店を巡り、どこか納得がいかずに足を運んでくださる方が多くいらっしゃいます。共通しているのは「自分らしい住まいを諦めたくない」という強い想いです。駒込の家の建主さんもまた、ご自身の価値観をw大切にされ、知的好奇心に溢れた方でした。
マニフェストにある通り、私たちの設計はまず、建主さんの住まいへの思いをうかがうことから始まります。それは単なる「部屋数」や「広さ」の確認ではありません。どのような時に、どのようなことを大切にしたいのか。一見バラバラに見える希望や生活習慣を紐解き、整理していくプロセスです。
駒込の家で実現した、光を美しく映し出す白い壁や、心にゆとりをもたらす余白は、すべてこうした深い対話から生まれました。私たちはプロとして、建主さんの言葉の裏にある真意を汲み取り、それを建築という形に翻訳します。時には、建主さん自身も気づいていなかった「心地よさの源泉」を発見することもあります。この「共に悩み、共に考える」時間こそが、オンリーワンの住まいを作るための、最も重要な土壌なのです。
□ 初回提案という名の、未来への招待状
「建築家に相談するのは敷居が高い」と感じられる方も多いかもしれません。しかし、私たちはその不安を解消するために、設計契約の前に「初回提案」の場を設けています。これは、具体的な敷地に対して、私たちが導き出した現時点での「正解」を、図面や模型で提示するものです。
駒込の家でも、最初の模型をお見せした瞬間の建主さんの表情を今でも覚えています。平面図だけでは伝わらない光の入り方、空間の繋がり、そしてそこでの暮らしの温度。模型を囲み、カッターで窓の位置を調整したり、空間を切り刻んだりしながら、理想の輪郭を少しずつ明確にしていきました。
この初回提案は、私たちの実力を誇示するためのものではありません。建主さんが「この人たちと一緒に家づくりを楽しめるか」を判断していただくための、判断材料です。Q6にある通り、ご納得いただいた上で契約を結び、そこから本当の共同作業がスタートします。駒込の家も、この一歩から始まり、一つひとつの決断を丁寧に積み重ねることで、他に代えがたい大切な場所となりました。
□ 経年変化を愛し、長く住み継ぐ誇り
家が完成した時、それは一つの終わりのように思えるかもしれません。しかし、私たちにとっては、そこからが本当の「住まい」の始まりです。駒込の家で使用した素材や、考え抜かれたプロポーションは、五年、十年と時を重ねるごとに、住む人の身体にさらに馴染んでいくはずです。
マニフェストに掲げた「寿命の長いデザイン」とは、単に建物が壊れないことではなく、飽きることなく愛され続けることを指します。流行り廃りに左右されないシンプルなデザイン。メンテナンスを楽しみながら、傷さえも家族の記憶として刻んでいける素材。それらはすべて、建主さんと私たちが「将来、ここでどう過ごしたいか」を真剣に語り合った証です。
完成した住宅実例がそれぞれ異なる表情を持っているのは、それが建主さんと私たちの「オンリーワンの答え」だからです。駒込の家に流れる静謐な空気感に、もし何かを感じていただけたなら、ぜひ一度、私たちの事務所を訪ねてみてください。まだ形にならない漠然とした想いで構いません。次は、あなたの物語を私たちに聞かせてください。駒込の家の模型を前にお話しできる日を、楽しみにしています。
□ まとめ
一生に一度の家づくり。流行ではなく、あなたの本質に向き合いませんか。まずは一度、お話ししましょう。























