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とても「良い土地」に見える。 価格も想定内で、 広さもあり、 日当たりも悪くない。   不動産会社さんからも 「人気が出そうですね」 と言われる。   それなのに、 現地に立つと、 なぜか心が静かにならない。   「悪くはないんですけど……」 そう言いながら、 言葉が続かなくなる。   そんな場面に、 何度も立ち会ってきました。   条件が整っているのに、 踏み切れない。   その感覚を、 無理に...

土地を見るとき、 多くの方は 一度か二度、現地に足を運びます。 その時間帯は、 たいてい昼間です。 明るくて、 見通しもよくて、 不動産会社さんとも予定が合わせやすい。   でも、 その土地が持っている表情は、 昼の顔だけではありません。   朝。 まだ空気が少し冷たく、 周囲の動きもゆっくりな時間。 光の入り方や、 影の落ち方で、 同じ場所でも まったく違った印象になります。   鳥の声が聞...

土地探しの相談をしていると、 「静かな場所がいいんです」 という言葉を、よく聞きます。   たしかに、 車の音が少なくて、 人の出入りも少ない。 それだけで、 少し安心できる気がしますよね。   でも、現地を一緒に見ていると、 「静かではあるけれど、  なぜか落ち着かない」 そんな土地に出会うことがあります。   音が少ないことと、 心が落ち着くことは、 必ずしも 同じではないようです。   たとえば、...

家づくりの相談を受けていると、 「明るい家にしたいんです」 「広く感じる家がいいです」 そんな言葉を、よく耳にします。 たしかに 明るさや広さは、とても大切です。 でも実は、 「数値」や「面積」よりも 暮らしの心地よさを左右しているものがあって、 それが “視線の抜け方” だと感じています。 部屋の広さは同じなのに、 ある家は、のびやかに感じて ある家は、どこか窮屈に感じる。 天井の...

家づくりを考えるとき、 「日当たりが良い土地がいいですよね」 そうおっしゃる方は、とても多いです。 たしかに 明るいリビング 大きな窓から差し込む光 それだけで 少し未来が明るく感じられるものですよね。   でも 現地を歩いていると、 「日当たりが良い」という条件だけでは 安心できないことも、少なくありません。   光が入っている ―― それは事実なのですが、 その光が 「どこから入っているのか」...

土地を見に行くとき、 私はいつも、すぐにメジャーを取り出したり、 建築条件をチェックしたりはしません。 もちろん 建築家として確認すべき数値や規制はたくさんありますが、 それよりも少しだけ先に、感じておきたいものがあります。 それが、 その場所に流れている「気配」のようなものです。   図面には、 敷地の形状や寸法、道路との位置関係、 周辺建物の配置がきれいに描かれています。 それはとても大切で、 設計...

不動産会社さんの資料には、たくさんの情報が並びます。 面積 価格 接道 用途地域 建ぺい率・容積率 方角 数字や条件が、きれいに整理されています。 それらは、たしかに大切です。 家づくりにおいて、無視できない条件でもあります。 ただ、 土地というのは、それだけでは決められないものだな…と いつも感じています。   初めてその土地に立ったとき、 数字では分からなかったことが、たくさん目に入ってきます。 ...

家づくりの打合せを重ねていく中で、 「ここは、やめておきましょうか」 そんな話になることがあります。 それは、 何かを我慢する、という意味ではなくて、 「いまの暮らし」 「これからの暮らし」 その両方を見つめ直した結果として、 そっと、手放す選択に 近いものだったりします。 要望というのは、 「こうしたい」 「こうだったらいいな」 という願いの集合体ですが、 そのすべてが、 同じ重さを持っているわけ...

家づくりの打合せの場で、 ときどき私が口にする言葉があります。 「——少し、待ちましょう。」 提案を否定したいわけでも、 判断を先延ばしにしたいわけでもありません。 ただ、 「もう一度、今の気持ちを確かめた方がいい」 そう感じたときにだけ、 静かにそうお伝えすることがあります。 あるタイミングで出てくる 「これ、やっぱり追加したいです」 「こういうのも、取り入れられますか?」 という言葉...

家づくりの相談を受けていると、 「せっかくの注文住宅だから」 「どうせなら、できるだけ全部入れたい」 そんな言葉を耳にすることがあります。 それは、とても自然な気持ちだと思います。 長い時間をかけて考えてきたことでしょうし、 雑誌やSNS、モデルハウスや友人の家を見て、 「いいな」と感じたものが 頭の中に、静かに積み重なっていく。 それは、悪いことではありません。 むしろ 家に向き合ってきた証...

家づくりの相談を受けていると、 最初の段階では たくさんの要望が出てくることが、よくあります。   「収納を増やしたい」 「広いリビングがいい」 「吹き抜けをつくりたい」 「家事動線は短くしたい」   一つ一つが その方の思いから出ている言葉ですから、 もちろん、どれも大切なものです。   でも、 打合せを重ねていく中で 少しずつ整理されていき、 自然と消えていく要望もあります。   「やっぱり、そ...

家づくりの打合せをしていると、 最初に出ていた要望が 途中で少しずつ変わっていく。 そんなことが、よくあります。   「最初と言っていることが違ってきて、申し訳ないです」 そう言われる方もいますが、 それは 謝ることでも 戸惑うべきことでもありません。   むしろ、 変わっていくということは 「考え続けている」ということでもあって。   暮らしのことを 家族のことを そして これからの自分の生き方を ...

家づくりを考え始めると、 いろんな家を見る機会が増えていきます。 モデルハウスだったり、 雑誌やSNSだったり、 友人や知人の家へ遊びに行ったときだったり。 そして、そのたびに こんな気持ちが、ふっと湧いてくることがあります。 「いいなぁ、こういう家」 「こんな間取り、憧れるな」 「うちにも取り入れたいかも」 その感情は、とても自然で 決して悪いことではありません。 むしろ 人の家に触れるこ...

家づくりの相談を受けていると、 「こうしたいんです」 「ここは絶対に外せません」 という強い言葉が出てくることがあります。 それを聞くたびに思うのは、 その要望は 「今、この瞬間だけの願い」ではなく、 もっと前から続いている 暮らしの体験の積み重ねから 生まれているのだろうな、ということです。   たとえば、 「収納をたくさんほしい」 という言葉の裏側には、 片づけても片づけても モノがあふれてしまった 過...

家づくりの相談を受けていると、 たくさんの「こうしたい」という言葉に出会います。 収納を増やしたい。 広いリビングにしたい。 回遊動線にしたい。 書斎がほしい。 どれも自然な希望で、 どれも大切に扱いたい内容です。 ただ、私はそれらを 「はい、分かりました」と そのまま設計に落とし込むことは、あまりしません。 少しだけ時間をかけて、 その希望は どこから生まれてきたのか 一緒にたどっていくところ...

家づくりの相談の中で、 最初に出てくる言葉は、 とても分かりやすい「要望」の形をしています。   「収納を多くしたいんです」 「広いLDKが理想で」 「書斎がほしくて」   どれも正しいし、 どれも大切な言葉です。   でも、 話を少しずつ重ねていくうちに、 その言葉の奥に、 もうひとつ別の“理由”が顔を出すことがあります。   それは最初から ことばになっていたわけではなく、 話しているうちに ふと、思...

家づくりの相談の場では、 最初の段階から いろいろな「こうしたい」が出てきます。   リビングは広くしたい。 キッチンはアイランドがいい。 書斎がほしい。 収納をたくさん。 大きな窓で明るく、開放的に。   どれも間違っていませんし、 どれも、その人の暮らしにとって 大切な願いであることが、ほとんどです。   だから私は それを否定したり 打ち消したりすることはありません。   でも——   「じゃあ、...

家づくりの相談をしていると、 終わったあとに 「ちょっと疲れました」 と、静かに漏らされる方がいます。   それは、悪いサインではありません。 むしろ ―― 私は、とても良い相談だったのだと思っています。     家づくりの相談というのは、 情報を交換する場でもなく、 条件をすり合わせる場でもありません。   「これまで、どんな暮らしをしてきたのか」 「これから、どんな時間を大切にしたいのか」   そう...

打ち合わせをしていると、 最初にお話しされていた方向から、 少しずつ考えが変わっていくことがあります。   「やっぱり、こっちの方がいい気がする」   そう口にされた瞬間、 少しだけ間が生まれて、 空気がやわらかくなることがあります。   それは、 迷いが増えたというよりも、 むしろ、 「本音に近づいたサイン」 だと感じることが多いです。   最初に出てくる要望は、 頭で整理した言葉だったり、 これまで見て...

家づくりの相談の場では、 はっきりと言葉になっていない 「違和感」のようなものが ふっと出てくることがあります。   それは、 「ここ、なんとなく落ち着かない気がします」 とか、 「良いと思うんだけど……少しだけ引っかかります」 というような、 とても曖昧で 理由の説明が難しい感覚だったりします。   多くの人は、 それを「上手く言えなくて申し訳ない」と感じて 飲み込んでしまったり、 「気のせいかもし...

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