建築家・ナイトウタカシさんのブログ一覧
2025/09/17 更新
家づくりやリフォームの打ち合わせで、意外と軽く扱われがちな「ドアの種類」。 しかし実際には、開き戸なのか引き戸なのか、その選択が毎日の暮らしやすさを大きく左右します。 特に車椅子生活や介助を伴う暮らしでは、その差は想像以上に大きなものになります。 1. 開き戸のメリットと落とし穴 開き戸は気密性が高く、音や匂いを遮るのに向いています。また、壁内に仕組みを作らずに取り付けられるため、建築コストが抑えやすい点も特徴です。 ...
2025/09/16 更新

コロナ禍以降、在宅ワークが当たり前になりました。 便利で快適な一方で、意外な疲れに悩まされている方も多いのではないでしょうか。 「気がつけば一日中机に座りっぱなし」 「オンとオフの切り替えができず、常に仕事モード」 「体は動かしていないのに、頭がぐったり」 これは、在宅ワーク特有の疲労です。 オフィス勤務のように通勤や会議で自然にリズムがつくれない分、心身の緊張が解けにくくなっているのです。 そんな在宅ワーク疲れ...
2025/09/15 更新
「いい作品を買ったのに、部屋に飾ってみたらイメージが違った」 そんな経験をされた方はいませんか? 実はその原因の多くは、“額装”にあります。 アートは作品そのものだけでなく、どう見せるかによって印象が大きく変わるもの。 「額装が9割」といわれるほど、額やフレーミングは作品の見え方を左右します。 では、暮らしの中でアートを美しく見せるために、どんな工夫ができるのでしょうか。 1. 額縁は「作品」と「空間」の橋渡し ...
2025/09/14 更新
■ 子どもが巣立つと、暮らし方が変わる 子どもが独立した後、家の中にぽっかりと空いたスペース。 「2階の部屋はほとんど物置き」「掃除が大変」「使わない和室がある」…そんな声をよく耳にします。 家族みんなでにぎやかに過ごしてきた家も、夫婦ふたりだけの暮らしになると、動線や部屋の使い方が合わなくなってくるものです。 このタイミングこそ、“第二の新婚生活”を始めるチャンスです。 「これからふたりでどんな暮らしをしたいか」を考...
2025/09/13 更新
二世帯住宅を検討するとき、必ず出てくるのが「玄関を一つにするか、二つにするか」という悩みです。 この選択は、家の雰囲気だけでなく、家族関係や日々の暮らしやすさにも大きく影響します。 10年以上二世帯住宅で暮らしてきた建築家として、実体験を踏まえた視点から、それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。 1. 玄関一つタイプの特徴 親世帯と子世帯が同じ玄関を使う「共用タイプ」です。 メリット コストを抑えられる 玄関ドアや...
2025/09/12 更新
冬になると、「乾燥がつらい」という声をよく聞きます。 肌がカサカサする、喉がイガイガする、風邪をひきやすくなる…。 実は、乾燥は体調不良だけでなく、住まいの快適性や家族の健康にも大きな影響を与えています。 今回は、冬の乾燥が私たちに与える影響と、家づくりでできる具体的な工夫についてお話します。 1. 冬の乾燥が健康に与える影響 冬は外気温が下がり、空気中の水分量も少なくなります。 さらに、暖房を使うと室内の湿度はさら...
2025/09/11 更新
お子さまのピアノ練習を考えるとき、防音対策は避けて通れません。 特に「グランドピアノ」と「アップライトピアノ」では、音の響き方や防音の考え方が大きく異なります。 今回は、それぞれの特徴と効果的な防音工夫について、建築設計と音響設計の視点からわかりやすく解説します。 1. ピアノの音は“空気”と“振動”の両方で伝わる まず知っていただきたいのは、ピアノの音は空気音と**固体音(振動音)**の両方で広がるということです。 空...
2025/09/10 更新
車椅子での暮らしを考えるとき、多くの方はまず段差や廊下幅、トイレや浴室などの動線を思い浮かべます。 しかし、実は意外と見落とされがちなのが「収納の問題」です。 収納の配置や高さ、開閉方式を誤ると、毎日の暮らしが不便になり、介助者の負担も大きくなります。 ここでは、車椅子生活ならではの収納に関する落とし穴と、その解決策をお伝えします。 1. 使いたいものに「手が届かない」 車椅子生活では、立って使うことを前提にした収納...
2025/09/09 更新

40代、50代になると、ふとした瞬間に「若いころとは違うな」と感じることが増えます。 朝の目覚めが重い、疲れが取れにくい、集中力が続かない。 それは、単なる加齢ではなく、体の仕組みが少しずつ変わってきているサインです。 仕事はこれまで以上に責任が増え、ストレスも大きくなる一方で、 体の回復力は少しずつ落ちていく。 以前なら一晩寝れば元気になれたのに、朝になっても疲れが残る。 そんなとき、サウナがとても効果的です。...
2025/09/08 更新
家の雰囲気は「色」で大きく変わります。 そして、その色をコントロールする一番簡単な方法が、アートとインテリアの配色を整えることです。 白い壁に一枚の鮮やかな絵を飾るだけで、部屋がぱっと華やぐ。 逆に落ち着いたモノトーンの作品を置くと、空間全体がシックに引き締まる。 この変化は、家具を買い替えるよりもずっと手軽で、効果的です。 ここでは、初心者でも取り入れやすい「配色のコツ」をご紹介します。 1. 空間...
2025/09/07 更新
■ 家の使い方が変わる瞬間 子どもたちが独立して家を出ると、家の中にぽっかりと“空きスペース”が生まれます。 「2階の部屋は物置きになっている」「広すぎて掃除が大変」「使わない和室がある」…そんな声をよく耳にします。 今まで家族みんなでにぎやかに過ごしてきた家も、夫婦ふたりの暮らしに合わせていない間取りのままだと、使いづらさや不便さが目立ってきます。 このタイミングこそ、“暮らし方を見直すチャンス”なのです。 ■...
2025/09/05 更新
こんにちは、ナイトウタカシです。 家づくりに関わる中で、梅雨によくいただく相談があります。 「梅雨になると、家の中がジメジメして不快」 「カビやダニが気になって、子どもの健康が心配」 「エアコンをつけても、なんだかすっきりしない」 そう、湿気の悩みです。 湿気は“見えないストレス” 湿度は体感温度や空気の質に大きく影響します。 たとえば、同じ25℃でも湿度が高いと「蒸し暑い」と感じ、逆に低ければ「カラッとして...
2025/09/04 更新
音楽を家庭で楽しむとき、どうしても気になるのが「音の大きさ」ですよね。 特に子どもが楽器を習っているご家庭では、防音室の計画や近隣への配慮を考えるうえで、音の単位や実際の大きさを理解しておくことが大切です。 まず、音の大きさを表す単位には「デシベル(dB)」があります。 これは、耳で感じる音の強さを数値化したもので、日常生活の音の目安としても使われます。たとえば、図書館や静かな住宅地での会話は30~40dB程度、...
2025/09/03 更新
車椅子を利用する方の暮らしを考えるうえで欠かせないのが、「回転半径」という視点です。 回転半径とは、車椅子がその場で方向転換をする際に必要なスペースのこと。一般的には直径150cm程度が望ましいと言われています。 数字で聞くと「なるほど、それくらいなら大丈夫そう」と思うかもしれません。しかし実際の暮らしの中では、この回転半径が思わぬ落とし穴となり、日常生活に大きな影響を与えていることが少なくありません。 1. 廊下や...
2025/09/02 更新

「気がつけば、ずっと気を張っている」 「仕事や人間関係に追われ、心が休まる時間がない」 現代を生きる私たちは、知らず知らずのうちにストレスを溜め込んでいます。 特に40代、50代になると責任も増え、家庭と仕事の両立で自分の時間を持てない。 疲れや不安を抱えながらも、立ち止まれずに走り続けてしまうのが現実です。 そんなストレス社会をどう生き抜くか。 そんな時に効果的なひとつの習慣として「自宅サウナ」があります。 ...
2025/09/01 更新

「はじめまして」の場である玄関。 そこは、お客さまが最初に足を踏み入れ、家族が毎日出入りする大切な場所です。 まるで本に表紙があるように、玄関はその家の“表紙”だと私は思います。 表紙が魅力的だと、その先を読んでみたくなるものですよね。 玄関も同じで、心地よい印象がそこに漂っていると、家全体に対する期待感が高まります。 その印象を大きく左右するのが、実は「アート」なのです。 1. 第一印象を決める「一枚の絵」 ...
2025/08/31 更新
これから家をどうしていくのかを考えるタイミングは、人それぞれです。 50代で考える方もいれば、60代になってから決断する方もいます。 ただ、年代によって暮らしへの影響や選び方は大きく変わります。 まず、50代の場合って、「未来に備えるタイミング」と言えます。 子育てがひと段落し、これからの夫婦の暮らしをどう暮らしていくのかを考える時期の方が多いでしょうから。 水回りの老朽化や間取りの不便さに気づい...
2025/08/30 更新
二世帯住宅を考えるとき、多くの方が最初に気になることって、何でしょうか? おそらく、その代表的な内容って、「プライバシー」だと思います。 せっかく同じ家に暮らすのだから、お互いに居心地よくしたい。 お互いの生活の空気感が筒抜けになってしまうと、ストレスが溜まり、せっかくの二世帯同居がギクシャクしてしまうことも。 では、プライバシーを守るために、どんな工夫ができるのでしょうか。 ここでは、特に大切な 防音 と 動線...
2025/08/29 更新
家づくりや暮らしの相談を受けていると、よく話題になることの一つとして「洗濯物をどこに干すか?」ということがあります。 当然外でしょう。 って思うかもしれませんが、室内に干す方も結構多くなってきてます。 梅雨の時期や花粉のシーズン、あるいは共働きで夜しか干せない方にとって、室内干しはとても現実的な選択ですよね。 ただ。。一方で、こんな声をよく耳にします。 「部屋がジメジメする」 「カビが心配」 「洗濯...
2025/08/28 更新
お子さまの音楽教育を考えるときに、多くの親御さんが気になこと。 「防音室をつくるなら、どれくらいの広さが必要なの?」 ということです。 ピアノやヴァイオリン、管楽器など、楽器の種類や練習のスタイルによって最適な広さは変わってきます。 まず、知っていただきたいのは、「必要最低限の広さ」と「快適に使える広さ」が違うということ。 たとえば、アップライトピアノを置いて一人で練習するだけなら、3畳ほどのスペースで...