屋根の形状とその特徴
普段、あまり意識することはないかもしれませんが、住宅の屋根にはさまざまな形があり、それぞれ特徴も異なります。今回はそんな住宅の屋根について、デザインや機能面、メンテナンスの面から特徴を見ていきましょう。
屋根の種類(形)とそれぞれの特徴を知ろう
切妻屋根(上)と奇棟屋根(下)
片流れ屋根(上)と入母屋屋根(下)
陸屋根
住宅の屋根の代表選手と言えば、やはり「切妻屋根」です。本を開いて伏せたような三角形の屋根で、いわゆる「家型」の外観となります。和風住宅や平屋建てなどには適した形です。また、切妻の両端に2つの屋根面が加わった形の「寄棟屋根」、切妻の下部に庇(ひさし)状の屋根を加えた「入母屋(いりもや)屋根」なども、和風住宅を中心に多く見られる形状です。
一方、都市部の住宅では「片流れ屋根」がよく採用されています。文字通り屋根の勾配が1方向に流れるタイプで、「北側斜線」など法的規制をクリアするために用いられることが多くなっています。切妻屋根よりもさらにシンプルなため、防水性はもっとも高いと言えるでしょう。
これらの屋根は基本的に傾斜(勾配)のあるタイプですが、まったく勾配のない「陸(ろく)屋根」(フラットルーフ)も人気です。切妻や片流れに比べモダンな印象をつくりやすく、四角い箱のようなシャープな建物が実現できます。ただし勾配がない分水はけは悪くなるため、防水の対策は必須となります。
屋根のメンテナンス方法
住宅の屋根材として最も普及している「スレート屋根」の場合、経年によってコケやカビなどによる汚れが目立つようになります。こうしたケースでは、表面の再塗装を行うのが効果的です。再塗装をする時期の目安として、新築から10~20年程度で1回目、30年程度で2回目を行うのが理想とされています。30年を超える頃にはスレート屋根自体が寿命を迎えていることが多く、スレート屋根の葺き替え(既存スレート屋根の上から新たなスレート屋根を施工する方法もあります)が必要となります。
一方、和風住宅に多い瓦屋根の場合、スレート屋根とは違って再塗装は必要ありません。ただし、飛来物によって瓦が割れたり、瓦どうしをつなぐ漆喰が崩れてしまっていたりすると、雨漏りの原因となることがあります。瓦の割れ、剥がれ、漆喰の崩れが見られた場合、部分的な補修を行うとよいでしょう。いずれの屋根でも、工事は屋根専門の業者に依頼します。費用は劣化・破損の程度や面積、足場の有無によって大きく変動しますが、規模の小さい補修なら20~50万円程度、足場を必要とする葺き替え工事などでは100~200万円程度の費用がかかるケースもあります。費用や工期については、事前に業者に確認をしておきましょう。
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