こだわりポイント
新宿区の住宅地に建つ鉄筋コンクリート屋上付き3階建ての二世帯住宅です。土間に立てられた螺旋階段周囲の吹抜けが上下階を結びます。1階を親世帯、2階をLDK、3階を個室としました。南北に開口部が多く設置されているので風が抜けます。
「コンクリート打ちっぱなし」の建築物に憧れを持つ人は多いことでしょう。コンクリートが露わになった建物は個性的でデザイン性も高く、高級感の演出にも適しています。今回は、コンクリート打ちっぱなしの家の魅力と、建てる際に知っておきたいトピックを紹介します。
通常のコンクリート構造(RC構造)の建物は、コンクリートの上にタイルや塗装を施して仕上げるのが一般的です。「コンクリート打ちっぱなし」とは、こうした仕上げを省略し、コンクリートをむき出しにすることを指します。
打ちっぱなしの魅力は、何と言ってもコンクリートそのものの質感にあります。温かみや柔らかさを演出したい場合は木材が適していますが、クールで力強い空間に仕上げたいなら、コンクリートの打ちっぱなしが最適と言えるでしょう。
また、一口に打ちっぱなしと言っても、好みによってさまざまな組み合わせを選ぶことができます。生活感を排除したスタイリッシュな空間にしたいなら、室内の壁や天井全体を打ち放しにするのもよいでしょう。コンクリートの質感を味わいつつ、場所によって温かみも加えたいのであれば、打ち放しの一部に木材やクロス、畳といった和の素材を組み合わせることで、ギャップのある空間を楽しむという方法もあります。
「打ちっぱなし」と言うと文字通り、単にコンクリートを打設すればいいように思えるかも知れません。しかし実は、打ちっぱなしを美しく見せるには相当な技術と経験が必要になるのです。例えば型枠の配置計画はその1つ。コンクリートを打設する際は、木製の型枠を箱状に組み合わせ、そこに半液体状のコンクリートを流し込んで固めます。このとき、型枠の大きさや位置、配置がしっかりと計画されていなければ、固まったあとのコンクリートに不規則なラインが出てしまいます。
また、コンクリートは強度の高い材料ですが、表面は汚れやすく、ひび割れなどが入りやすい材料でもあります。そうなってはせっかくの打ちっぱなしが台無しとなってしまいますので、適切に撥水剤(はっすいざい)を塗ったり、ひび割れを防ぐための目地(めじ)をきちんと計画したりする必要があるのです。
一般的に工務店やハウスメーカーは、コンクリートをデザインとして使うことには不慣れです。コンクリート打ちっぱなしの家を建てるなら、コンクリートを素材として見せ、デザインに活かす術に精通した建築家に依頼するのがベストだと言えるでしょう。
建築家がさまざまな工夫を凝らしデザインをした、コンクリート打ちっぱなしの家の作品をラインナップしてお届けします。
ひばりヶ丘の落ち着いた住宅地に建つ3階建ての専用住宅です。 まず住宅へのアプローチは庭を見せつつ、おおらかに南から入るレイアウトとしました。このとき西に向くリビングルームには木製ルーバーを配し、外観上も主要なアクセントとなるようデザインの工夫をしたことが最大の特徴です。3階の軒高さまで達するルーバーは豊かな様子で住まい全体を包み込むような印象をもたらしています。
360度の風景を楽しめるといってもハイライトである富士山側の眺めを最大限に取り入れる為に、北西側の外壁の長さを少し延ばした。それによって2階の各スペースに微妙なねじれが生まれた。XYの完全なシメトリーに対し、この自己主張するでもないねじれは色のない内部空間や外観を少し和らげているのではないかと思う。同じようにパステルカラーの仕上げ材や古材のフローリングもコンクリートの冷たさに少し暖かさを与えているのではと思っている。
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