今こそ見直したい、和室の機能性と快適性

家を作るとき、「伝統的な日本家屋にしたい」という人はもはや少数ですが、和室を作りたい人は以外といます。これほどライフスタイルが西洋化したなかで、和室をつくる意味とはいったいなんなのでしょうか?

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和室のメリット

堀紳一朗さんの作品事例「平屋 和風モダンの家」

「和」を基調とした住まいを提供する建築家・堀紳一朗さんの作品事例平屋 和風モダンの家

明治時代、日本にやってきた西洋人は、日本の家を見て驚きました。「なんて狭い家なんだ、こんな家で快適な暮らしができるわけがない」と思ったのです。しかし、そこで暮らす日本人一家の生活ぶりをみて、彼は考えを改めました。「なんて合理的な空間なんだ」と。彼が感動したのは次のようなことです。
和室は普段は座布団に座って本を読んだり、家事をしたり、子どもが遊んだりするリビングである。しかし、そこに食卓を出せばダイニングになり、そこに布団を敷けば、寝室になる。ひとつの部屋が一日のなかで何度も機能を変え、活用されている。西洋では、寝室は夜に寝るだけの部屋であって、昼間に使われることはありません。対して日本人は、決して広くはない和室を一日中フル活用し、メリハリのある暮らしをしていることに驚いたのです。それだけではありません。和室が数部屋あると、ふすまを外すことで広間になり、冠婚葬祭やお盆など、親族の集まるパーティルームにもなります。なんの変哲もない和室ですが、これほど合理的な部屋はないのです。

現代の生活に合う和室のつくり方

しかし、現代では昔のような日本家屋はほとんど作られません。普通の家に1つか2つ作るような、現代人の生活に合わせた和室とは、一体どんなものなのでしょう?
たとえば、子育て世帯の場合、家に和室が1つあると非常に重宝すると言われています。
まず、余計な家具のない和室は、雨や暑さ寒さが厳しい季節に子どもの格好の遊び場になります。集合住宅の場合でも、畳はフローリングより足音を吸収するので、近所迷惑になりません。座卓を出せば、勉強部屋にもなります。小さいうちは机に向かうのが習慣になっていません。子ども部屋を与えても1人で宿題をしたりするのはなかなか難しいのですが、和室で親や兄弟と机を並べてやれば、メリハリの効いた勉強時間が確保できるというわけです。さらに、和室は子どもが小さいうちは寝室としても活用できます。ベッドのように落ちることがないので寝相の悪い子どもでも安心。一緒に寝ることで、乳幼児のおむつもすぐチェックできるし、親子の関係も深まるでしょう。このように和室は現代風の家でも重宝する空間なのです。

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上記の記事は、2015年11月27日現在のものです。掲載情報の著作権は株式会社オウチーノ(以下:弊社)に帰属します。情報内容は保証されるものではありませんので、万一この情報に基づいて被ったいかなる損害についても、弊社および情報提供元は一切の責任を負いません。予めご了承ください。

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