時代に新風を吹き込む建築家たち

2018.9.5

“お客様カラー”に染まって考える

麻生啓一(株式会社ASO設計)

注文住宅に興味はあるけど、相談したら建築家のペースに巻き込まれそう……。こんなふうに思っている人は多いだろう。建築には専門的なアドバイスが必要だがマイホームは家族の夢でもある。普通はしないこと、ヘンな要望であっても「やりましょう」と背中を押してほしい――。麻生啓一氏は、そんな“お客様カラー”の実現をテーマとする建築家の一人だ。

インタビュー、構成:建築家O-uccino編集部

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――事務所は1967年創立。歴史がありますね。

父の代からここ相模原で設計事務所をしています。私は高校で建築科を卒業したものの、建築にはさほど興味がなかったんです。ところが、建設会社の設計部で図面を描いたり、現場に出たりしているうちに「これはおもしろいな」と。その後、ハウスメーカー勤務を経て家業を継ぐことにしました。

──どういう点がおもしろいんですか?

家づくりの場合、お客様の要望をかなえることがテーマになるわけですが、100人いれば100通りの考え方があるでしょう? だから自分も住む人になりきるというか、お客様のカラーに染まり切って考える。そこにユニークさを感じますね。

たとえばクルマ好きなお客様だったら思い切ってガレージハウスにしたり、奥様がディズニー好きだったらコレクションを楽しめる部屋をつくったり、という具合です。

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――専門家として「これは大事」というポイントはありますか?

うーん、最優先である要望の実現に加えて言うなら、「動線」と「収納」でしょうか。

動線は、たとえば家に帰って玄関からキッチンに向かうとき右からも左からも行けるとか、複数のルートをつくっておく。そういうのが家事のしやすさだけでなく、風通しのいい雰囲気にもつながります。子供と鬼ごっこもできますしね。

一方、収納は大きいのをひとつ作るより「トイレにも洗面所にも」と細かい収納庫をいろんな場所につくるのをオススメしています。今ハマっているのは玄関の収納です。ベビーカーやバーベキューセットなどを玄関にしまえるとけっこう便利ですよ。

さらに言えば、玄関は広目に作っておくほうがいいですね。たとえ狭小住宅でも玄関は大きく。やはり家の顔ですから。「玄関と水回りだけはきれいに」といつも言っています。

――意外と主婦目線というか……。

奥様のハートをつかむことはものすごく大事ですよ。「○○したい」「××が好き」といった夢をかなえる一方で、料理や家事・育児がしやすいように動線や収納などもしっかり考えて作り込む。これも“お客様カラー”に染まるからこそ出てくる発想なんです。

――理想に近づける

プランニングする上で、どうしても法律上・構造上・予算上と壁にぶつかる所もありますが、いろいろと提案してお客様の理想に近づけるようにお客様と一緒にひとつの形にしていきたいと思います。

麻生啓一(株式会社ASO設計)

photo 1988-1991 元旦ビューティ 勤務
1991-1995 まるあさ建設株式会社勤務
1995-1997 三栄ハウス勤務
1997-     株式会社麻生建築設計事務所勤務
2010-     株式会社ASO設計社名変更 代表取締役就任

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