日本人のDNAに響く「四季のある家」を
本田浩(ワイズクリエイト)
春には一斉に桜が咲き、夏は蝉時雨、秋は……。日本には五感で感じられる四季があり、外国と違っている点だとよく言われる。そんな自然を味わえる住宅を設計できることこそ、日本で家をつくることの最大のメリットだと本田氏は語る。
インタビュー、構成:建築家O-uccino編集部

──さまざまな建物を作ってこられたんですね。
住宅や診療所だけでなく、公共の建物やランドスケープもたくさん手がけてきました。建物は、ひとつひとつ違う、そこにしかないもので、単純に「商品」と割り切れるものでないところが魅力です。
──住宅づくりの魅力というとどんなことでしょうか。
人を笑顔にできる、喜んでもらえるというのが建築家としての最大のやりがいですね。それは住宅でも公共施設でも変わりません。たとえば、動物園をつくるとき、どう見せるか、どんなことを訴えるのか、子供たちをどんな仕掛けで楽しませるか、考えるのは大変ですが、来た人が喜ぶ顔を見られることを思えば、まったく苦になりません。
──考えること自体が面白味なんですね。
ある別荘の案件では、もう2年間も打ち合わせしているのですが、正直言って、打合せを重ねているうちに、話し合うこと自体が楽しくなってきました。打ち合わせするごとにお互いアイデアが膨らんできて、また考えて案を持っていくこと自体が面白い。実際に出来上がるのは何年先になるかわからないけれど、そうやってまだ見ぬ家のイメージを膨らませて楽しむのも、また家づくりの醍醐味だと思っています。
──住宅づくりで大事にしていることは何ですか。
やはり「開放感」「季節感」といった自然とのふれあいを大事にした家がいいと思います。公共施設をたくさん手がけてきたので、その持ち味を活かしていきたいですね。その上で、日本の家には、四季の変化が感じられることが必要だと考えています。たとえば、まわりの景色を庭の一部として使う「借景」という手法のように、自然との共生を考えていきたい。
──四季のある日本の風土を活かすのですね。
日本人のDNAに響くような家をつくるために、季節感は外せません。最近手がけた建物で言うと、ふくだ内科循環器科がそうです。院長が自然の味わいが好きな人だったので、力を入れて屋上庭園をつくりました。院長が植物に詳しく取りまとめていくのは大変でしたが、緑と水辺の環境をつくった中に蛍を放して飛んだとき、苦労して作った甲斐があったと思いました。
本田浩(ワイズクリエイト)
1962年 兵庫県生まれ。
1985年 明治大学工学部建築学科卒業。
1985年 三井ホーム株式会社勤務。
1988年 株式会社鬼工房勤務。
1991年 株式会社プレック研究所勤務。
2001年 株式会社プレック研究所建築設計室室長。
2004年 有限会社ワイズクリエイト共同設立。








