家を建てたい人のコアな部分を見つける

久保和樹（H2DO）

自分にとって理想の住空間は何なのか。いざ答えるとなると難しい問いかもしれない。優先度の問題もあれば、将来のこともいつもより考えておく必要がある。「誰でも必ずコアな部分を持っている」という久保氏に家づくりの発想法を聞いた。

インタビュー、構成：建築家O-uccino編集部

若手ながら、多数の実績を有する久保氏の手がけた作品

──家づくりをする上で、どんなことに気をつけていますか。

既成概念を取り払って、フラットなところから考えはじめることでしょうか。お客さんに対しても、先入観を持たないで、なるべくニュートラルなものの見方をするように心がけています。お客さんの考え方と自分の考え方を重ね合わしていくイメージです。

──コミュニケーションが重要なんですね。

打合せを通じて、人間関係を深めていくことが何よりも大事だと思います。言いたいことは全部言ってもらって、こちらも球を投げ返していく。そんなふうに空間作りを通して、人と深くコミュニケーションできるのがこの仕事の魅力ですね。

──施主さんの要望をどんなふうに捉えていますか。

本質的に何が一番大切なのかを考えるようにしています。要望を整理して、メリハリのある住宅になるように心掛けています。クライアントの要望を深く紐解いていくことで、その人のコアとなっている部分を発見し、そこから家づくりのコンセプトをつくります。

──そういう中で面白いと感じることはどんなことですか。

クライアントとのディスカッションをくり返しながら、お互い発想が刺激されてくるところですね。話しているうちに、今まで思いもしなかったようなことに気づかされて、自分の価値観も変わって来る。コミュニケーションしながら、具体的な空間のイメージができてくる。そこが面白味だと思っています。

──リノベーションについてはどんなふうに感じていますか。

右肩あがりの成長が難しい現代において、リノベーションはいい選択肢だと思います。とりわけアクセスのいい都市部のマンションを改築するのは魅力的だと思います。自分が住まなくなった際にも、転売したり賃貸に出したりと、色々な選択肢があると思います。このようにライフスタイルの変化に合わせられるのもメリットですね。

──将来のことも含め、考えておく必要があるんですね。

中長期のライフプランを定期的に見直すということは重要だとおもいます。

──なるほど。本日はありがとうございました。