「実家の空きスペースを大胆にリノベーション
古い農機具倉庫とは思えない快適な住まいに」
- 岡山県倉敷市 K様
- 建築家への評価…★★★★
- 現在の住まい…80点
- 建築家・岩崎さんへプラン相談→岡山の現地で調査・打ち合わせ後、プラン作成依頼→設計監理の契約→工務店決定→着工→竣工まで10ヶ月
- 岩崎整人さん
- -以前住んでいた家から、ご実家の離れをリノベーションしようと思われたきっかけは?
- 子どもの高校進学をきっかけに転居を決意しました。中高までは通学区域の制限があったので、手狭になっても引っ越し先が通学区域内に限られていたんです。子どもの進学で、やっとその制限もなくなったのですが、予算内で土地を買うのはかなり難しく、新築の戸建住宅には手が届かなかったんですよね。そこで、実家の母屋の隣に建っていた古い2階建ての農機具倉庫をリノベーションしようと決めました。実家の近くに住めるというメリットも、決断を後押ししてくれましたね。
- -工務店やハウスメーカーではなく「建築家」にお願いしたいと思ったきっかけ/建築家O-uccinoで岩崎さんを選ばれた理由をお聞かせください!
- もともと建築家のつくる家に憧れはありました。でも当時は、建築家は限られた都市部にしかいないものだと思い込んでいたので、あきらめて全国展開しているハウスメーカーさんにお願いするつもりでいたのです。そんなとき、インターネットでたまたま建築家O-uccinoを見つけて検索をしてみたら、各地にいろいろな建築家の方がいらっしゃることを知ったんです。岩崎さんはご出身が実家のある岡山県だったので、勝手に親近感を覚えて(笑)。それで連絡をとってみることにしたんです。
- -実際に他社にお見積りなどをとられたりしましたか?
- はい、最初に見積りをお願いしたのは、とあるハウスメーカーさんでしたね。かなり高額だったのでびっくりしました。予算のほぼ2倍の金額でしたから…。交渉を重ねたのですが、グレードを下げるしかないと言われてしまったんです。その後、建築家O-uccinoで岩崎さんを知って、見積りをお願いしたらほぼ予算通りで大丈夫だという回答をいただいて。細かい相談にも乗ってくださり、ハウスメーカーより融通を利かせてくれるんだなあと、嬉しかったです。
- -岩崎さんとのやりとりは(メールや実際にお会いすることも含めて)スムーズでしたか?
- 最初に現地調査にお越し頂いて直接お会いした後、何度か図面を見せに来てくださったりもしましたが、その後はメールや電話でのやりとりがメインになりましたね。初めてお会いしたときから、優しそうでフレンドリーな感じがとても好印象だったので、電話やメールでのやりとりにも不安はまったくありませんでした。それと、そうしたやりとりの中で、ちょっとした疑問にもきちんと答えてくださったのはありがたかったです。
- -工事についての要望で、特にこだわられた点、それに対する建築家の対応は?
- タンスや書棚などの家具類が多かったので、以前住んでいた家では部屋が狭く見えたり、移動しにくかったりして苦労していました。でも、どれも捨てずに転居先でも使いたかった。そこで、家具類をすべて隠してほしいとお願いしたんです。結局、2階の廊下の壁面に家具を納めてもらいました。家の中が劇的にスッキリして、とても満足しています。もう1つ嬉しかったのは、使わなくなった子どもの学習机を活用してくれたこと。捨てるしかないかな…と思っていたのですが、冷蔵庫の脇のスペースに、邪魔にならないよううまく納めてくださって。今では家事の合間に使うワークスペースとして活躍しています。
- -岩崎さんの対応でよかったところは? なにかエピソードがあれば教えてください
- 壁に納めるため、家具の寸法を事前に岩崎さんにお伝えしていたのですが、なんと、食器棚の高さを間違って伝えてしまったんです(笑)。いざ家具を運び込んだらはみ出してしまって…。途方に暮れていたら、大工さんが食器棚の脚をきれいに切ってうまく納めてくださいました。他にも、急きょロフトへの階段をつくっていただいたりもしましたが、岩崎さんの一声で、どちらもサービスでやってくださったんです。大工さんも嫌な顔一つせず対応してくれました。普段から大工さんとよい関係を築いているからこそなんだろうなあ、と感心しましたね。
- -プランで、これだけはお願いしたいとされたご要望は?
- 当初、リビングを1階と2階のどちらに配置するかで悩んだのですが、リビングを2階に持ってくると、スペースの都合で子ども部屋は1階につくることになってしまいます。そうすると、子どもの帰宅後、玄関から子ども部屋に直行できてしまうので、家族が顔を合わせる機会が減ってしまいますよね。そういう理由もあり、結局、リビングは1階につくってもらうようお願いしました。
- -それに対する建築家の対応は?
- 1階のリビングを広くとるために、浴室や洗濯機置き場などの水廻りは2階に配置することになりました。動線を考えて、物干し場も2階につくってもらったのですが、外からの視線が気にならないよう、岩崎さんがルーバーを付けてくださったのです。適度な目隠しになり、風もきちんと通してくれるので助かっています。それと、2階の廊下にも物干し竿を付けてもらったのですが、これが大正解でした。1階からのエアコンの熱気が2階に上がってくるので、洗濯物がすぐに乾いちゃうんですよ。今では外よりも廊下に干すことが多かったり(笑)。洗濯物の多い我が家にとっては嬉しい誤算でしたね。
- -住んでみて、岩崎さんにお願いしてよかったと思われるポイントは?
- 今のキッチンはアイランド型なのですが、実は、こちらからはキッチンについて要望を出していなかったんです。でも、いつのまにかアイランド型に決まっていて(笑)。サッシもいつのまにかペアガラスに決まっていました。最初は少し驚きましたが、今ではどちらも満足で、お任せしてよかったなと思っています。建築家として「ここは外せない」という部分については、力強く決めていただくのもいいものだなと感じました。岩崎さんは、こちらから細かい注文を付けなくても、予算の範囲内で私たちにぴったりの住まいを考えてくださっていたのでしょうね。
- -住んでみて、岩崎さんからのこんなアドバイスがためになった!というようなエピソードがあれば教えてください!
- 住まい方についてのアドバイスのようなものは特にいただいていないのですが、今思えば岩崎さんがこだわられていたいろいろな箇所に、そうしたものが隠れていたのかもしれないと思います。例えば、便器の色。子どもが「便器はピンクがいい」と言っていたのでそれを岩崎さんにお伝えしたのですが、「絶対に白の方がいい」との事でしたので白に決めました。白で正解だったと気付いたのは、住み始めてからでしたね。ピンクにしていたら、トイレが家全体の中でちょっと浮いた存在になっていたかもしれません。素人にはない、全体を俯瞰するセンスは、さすがだと思いました。岩崎さんとについては満点に近いのですが、予算の都合で収納などが多く設けられなかったことから今回80点とさせていただいています。
リフォーム、リノベーションにあたっては、既存建物の雰囲気や特徴が、新しい空間のなかでデザインの要素として自然なかたちでそこにあるように心がけました。建物のこれまでの時間が、新しい生活とのつながりを持つことで空間として現れ、そこが居心地のいい我が家になっていけばいいなと考えています。リフォーム、新築に関わらず、住宅を考えるということはお客様にとっての生活を考えることだと思います。
お客様が日常の生活の中で、それまで感じたことのなかった何か新しいものを感じ取ってもらえるような空間をつくっていきたいです。
(写真左下は竣工前の農機具置き場だった建物)
岩崎整人さん
住まいのデータ
家族構成 | 4人 | 工事の種類 | リフォーム・リノベーション |
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建物の種類 | 一戸建て | 築年数 | 25年 |
施工前の間取り | 住居外 | 施工後の間取り | 3LDK |
施工面積 | 128.0平米 | 総工費(目安) | 900万円 |