大規模なオフィスビルが増え、中小規模のビルは不利な状況に

大規模なオフィスビルが増え、中小規模のビルは不利な状況にオフィスビルには大きく分けてテナントビルと自社ビルの2つがあり、テナントビルは企業などがフロアに入ることで賃貸収入を得て運営をしています。しかし2000年以降六本木、汐留、品川など大規模なオフィスビルができ、特に中小のオフィスビルは経年などによる競争力の低下などで、継続的な運営が困難になっているところが増えてきています。 特に都市部などオフィスとして利用価値の高いエリアでは、前述のような大規模オフィスビルが建つことで、借り手がつかない、借りたくても好条件のオフィスは高くて入れないなど、不利にならざるを得ない現状も見られます。 また、自社ビルの場合も、自社の企業活動によって利益を得るものであり、より利益性の高い設計であることと同時に、ビルそのものが企業イメージを担う場合もあります。 こういった課題を解決するに、建築家の力を借りるのも有効な手段です。

  • 中小規模のオフィスビルの弱点

    オフィスビルは特殊建築物に含まれないため、法的には比較的自由な設計ができます。テナントビルの場合は、延床面積に対して収益部分となる面積比率(レンタブル比)を最大限に取ることで、収益性を高めます。そして、階段やエレベーターなどの縦動線、トイレや給湯などの衛生、配電などの設備はコアにまとめることで、収益効率をあげることができます。 しかし中小規模のオフィスビルの場合、コア部分が占める割合が高くなるため、大規模オフィスビルに比べ、レンタブル比では不利な状況となります。そのため、1階部分には必要最低限の縦動線と郵便受けなどを設置し、1階部分に可能な限りレンタブルスペースを確保して収益率を高めます。

  • オフィスビルのポテンシャルを引き出すために

    ビルなどのオーナーにとって一番の課題は、老朽化や環境の変化によって借り手がつきにくくなることです。特にビルはRCや鉄骨で建てられているので、建て替えるとしても莫大な費用がかかるため、非常に悩みの種となります。しかし、建築物そのものの寿命は長く、建て替えをしなくても利用価値を高め、空き室を減らし、収益性を維持することも可能です。 例えば、リノベーションに似た言葉でコンバージョンという言葉があります。これは古い建物を目的を変えて再生させることを意味します。分かりやすい例で言うと、立地が良ければ、空き室の多くなったオフィスビルをホテルとしてコンバージョンすることで空室率を減らすことができます。また、クリニックビルのように用途を限定したリノベーションを行い設備を整えることで、特定の業種のテナントを得やすくするという手段もあります。

  • ビルオーナーにとって建築再生が存続のカギ

    大規模オフィスビルの建設で大企業のビル移転が進み、中小の賃貸ビルは厳しい状況となりました。しかし、今後団塊世代の退職などにより、オフィス人口の激減も想定される中、中小の賃貸ビルの生き残りは更に熾烈になると考えられます。 その中で生き残っていくためには、市場の動きに敏感に反応し、既存の建物の新たな再生をしていくことも有効な手段と言えましょう。 建築家の中には住宅だけではなく、オフィスやクリニック、公共施設などの実績を持っている人たちが多くいます。どのような活路があるか、専門家に相談してみるのもよいのではないでしょうか?

建築家によるオフィスの事例

建築家がさまざまな工夫を凝らしデザインをした、オフィスの事例をラインナップしてお届けします。

  • 医療情報研究所オフィス

    医療情報研究所オフィス
    総工費
    550万円
    坪単価
    5万円
    小川文也・東野友信
    • 関東
    • 東海
    • 関西
    • 九州
    こだわりポイント

    1,2階とも同じ位置に間仕切りの壁を挿入し、後ろの執務スペースと前面の打合せや休憩スペースとに分けています。壁は落ち着いた濃い色合いの木パネルを貼り揃えることで1,2階にまたがる壁が会社の大きな看板となるのではないかと考えています。

    この建築家に相談する(無料)
  • 田園オフィス

    田園オフィス
    総工費
    7000万円
    坪単価
    -万円
    こだわりポイント

    屋根に上る、バルコニーで腰掛ける、床の段差を利用したコミュニケーション、さまざまな仕掛けによって働く人たちが活発にかかわり合う空間を目指しました。 愛知県産の木を使用して大断面集成材を用いて環境にも配慮しました。

    この建築家に相談する(無料)
  • 錢屋本舗オフィス

    錢屋本舗オフィス
    総工費
    900万円
    坪単価
    22万円
    こだわりポイント

    机や椅子でブースをつくり、本棚やラックなど什器でスペースを仕切るオフィス空間では、だんだん家具の役割が建築に近づいていきます。ここでは逆に建築を少し家具に近づけてデザインすることで、家具も什器も、仕切り壁も建具もキッチンも、どれが建築でどれが家具か分からない色々なものがレトロなスケルトン空間に漂っている様相にならないだろうかと試みました。(共同設計:アートアンドクラフト)

    この建築家に相談する(無料)
  • 河原町ビルディング

    河原町ビルディング
    総工費
    20000万円
    坪単価
    44万円
    こだわりポイント

    景観法に基づき打合せ調整を重ねた結果、京都的な落ち着きある色彩計画となりました。 また、今回の計画では、ファサードの更新だけでなく制振構造のマウント、エレベーターの入替え更新といったリノベーション工事としても高度な技術が要求されるものとなりました。 インテリアに関してもOA化も勿論のこと、天井ルーバー型の輻射冷暖房装置や床暖房といったオフィス環境としてはハイグレードな空間仕様となっています。

    この建築家に相談する(無料)
  • Wオフィス渋谷

    Wオフィス渋谷
    総工費
    400万円
    坪単価
    9.3万円
    こだわりポイント

    ミーティングルームのRED&BLUE。コントラストを活かした空間の分節化を試みました。 また、既存設備機器を活かしたプランニングによりローコスト化を実現させたプロジェクトとなっています。

    この建築家に相談する(無料)

注目の建築家

ISSUE

新着お役立ち記事

記事一覧へ

how to use

建築家オウチーノの使い方

FAQ -よくある質問と答え-

TRUSTe

このページの先頭へ